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院長:牧田 善二
Doctor: Zenji Makita |
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電話番号:
03-3538-4001 |
住所:
〒104-0062 東京都中央区銀座1-4-3 第6工業ビル5階(地図) |
診察時間:
月〜金 10:00〜13:00 , 15:00〜18:00 |
休診日:
土・日・祝日 |
診療科目:
生活習慣、病糖尿病、高脂血症、肥満症高血圧症、痛風脂肪肝、内科一般(各種保険取扱) |
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AGEを学問的に学ぶ

ポイント
- AGEは英語のAdvanced Glycation Endproductの頭文字をとった略語で、
糖尿病合併症の原因となるものです。
- AGEは終末糖化産物などと訳されています。
- AGEは身体の中の蛋白質にブドウ糖(血糖)が結合して出来ます。
- 従ってブドウ糖が多い(血糖の高い)糖尿病の方に全身に沢山出来てきます。
- AGEが多く出来ると合併症が進みます。また逆にAGEを出来なくすると合併症は起きません。
- 血液中や尿中のAGE(エー・ジー・イー)を調べることが出来ます。
- AGEを出来なくする安全な治療があります。
Cerami教授がAGEと命名
1987年、当時ニューヨークにある有名なロックフェラー大学の学部長のA・セラミ教授は、Scientific American誌に「ブドウ糖と老化」という大変ユニークな論文を発表し、その中で始めてAGEという言葉を発表しました。

このAGEが糖尿病合併症の原因であり、さらには老化の原因でもあるという学説を発表でしたのです。じつはこの学説は、食品化学の世界では70年も前から知られていた化学反応を、糖尿病などの病気と結び付けただけのものでしたが、そういうことが天才的発想といえるのでしょう。
この雑誌は日本語版が出版されており、これを糖尿病の研究を始めたばかりの私は「研究するならこの人の下で」と強く決意するほどの強烈なインパクトがありました。まずは70年前から話を始めましょう。
AGEの研究は70年前の食品科学の研究から始まった。
アミノ酸やたんぱく質にブドウ糖(砂糖でもOK)を混ぜて加熱すると、色が褐色に変化します。この現象をフランスの化学者LC Maillard(メイラード)が1912年に報告し、以来、糖化反応とかMaillard(メイラード)反応といわれるようになりました。
半分に切ったリンゴの表面が次第に褐色に変化してくるのもこの反応のためです。チキンを焼くと美味しそうに茶褐色に変化するのもAGEが出来るためです。味噌やしょうゆにもAGEは沢山入っています。コカコーラには特にたくさんのAGEが入っています。つまり私たちはいつも多量のAGEをとくに加工した食品から摂取しているのです。したがって食品の毒性、味、保存に関係する大切な問題なのスイスのネッスル社などの食品化学者の間で着々と研究が進みました。でもこれらの化学者たちは、AGEが体の中に出来てくるとか、この反応が病気の原因になるなるなどとは考えませんでした。
ヘモグロビン・エー・ワンCは糖尿病の最も大事な検査
60年後の1970年台初頭、ハーバード大学のF. Bunn教授たちは体の中で酸素を運ぶ役目を担っているヘモグロビンというたんぱく質に血液中のブドウ糖(=血糖)が簡単にくっつくことを見つけました。メイラード反応が体の中で起こっていることがやっと判ったのです。さらにBunn教授たちが賢かったのは、ブドウ糖の結合したヘモグロビンの量を測れば糖尿病の治療がうまく行っているかどうかが判定できると推測したことです。ヘモグロビンの量は皆一定だが、糖尿病の人は血液中のブドウ糖(=血糖)の量が多くなるのでその量に応じてブドウ糖の付いたヘモグロビンの割合は多くなるはずだと考えたのです。その理論はすぐに証明されました。ブドウ糖の付いたヘモグロビンは、その後HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)と呼ばれ今では糖尿病のもっとも大切な検査として使われています(1から3ヶ月間の平均血糖値を表します)。
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ヘモグロビンはα鎖2個、β鎖2個の4量体でそのつま先のところにブドウ糖がくっ付きます。
付いたものがHbA1cです。 |
コカコーラ、醤油、味噌にAGEは含まれている
この糖化反応はブドウ糖とたんぱく質の間単純な反応ですが、過熱により反応は促進され、最終的に褐色を呈する複雑・多様な物質、AGEが作られます。糖質と蛋白質を含む料理でおいしそうな色が付くのはこの糖化反応にのおかげです。例えばチキン照り焼きの色はAGEなのです。日本語では終末糖化物質とか後期反応生成物などと訳されています。前にも述べたように、コカコーラや醤油に大量に含まれていることも分かっています。
つまり食品にAGEが沢山含まれていることはずーっと前から分かっていたのです。現在の研究では、食べたAGEは腎臓が悪くない限り害はないということが判っているのでどうぞ安心して味噌汁を飲んでください。しかし、血糖のもととなるブドウ糖から直接、からだの中に出来てきたAGEは恐ろしい害があります。たとえば、これが血管の壁にたまってくると血管が硬くなったりもろくなります。とくに血糖値の高い糖尿病の方は、そうでない方の8倍くらい多くこれが溜まっています。とくに目や腎臓の血管は糸のように細いのでAGEが溜まると切れたり詰まったりしやすいのです。眼底出血や腎臓の合併症はこうして出来てくるのです。
AGEの出来る様子
AGEは、まず血糖のもとであるブドウ糖がいろいろなたんぱく質にくっ付くことから出来てきます。次の、このブドウ糖同士が互いにくっ付きあって最終的にAGEが出来ます。 とくに体の中に長くとどまっているコラーゲンなどには多く出来るのですが、これが出来るとコラーゲン同士がAGEを介して結合することになるので、弾力性が低下し、硬く・脆くなってしまいます。
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| AGE形成の図 |
身体の中のAGEを測定することが出来ます
1981年、セラミ教授とモニエ先生は糖尿病の方の目にAGEが溜まっている事をScience誌に発表し、続いてAGEの蓄積は糖尿病の合併症が進むにつれ増えていうことを有名なニューイングランド医学雑誌(N Engl Med J)に報告しました。AGEが糖尿病の合併症の原因であることがはっきりしたのです。
AGEを簡単にしかも正確に測ることは検査としてとても大切です。わたしは、1991年にセラミ教授の下に留学中、血液や尿などに含まれるAGEの測定法を作り、特に糖尿病で腎臓が悪くなるとAGEは血液の中に正常の人の8倍も溜まっている事を見つけました。
合併症治療薬が出来る?
AGEが本当に合併症のもとであるならば、AGEを出来なくすれば合併症が起こらなくなり、糖尿病の方には夢のような治療薬が出来ることになります。アミノグアニジンという薬をのむとAGEが出来るのを抑えるが出来ることを発表しました。この物質はたんぱく質にくっ付いたブドウ糖に結合します。これが先に結合するとブドウ糖同士がくっ付くことが出来ず結果的にAGEは出来ないわけです。
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| アミノグアニジンの作用図 |
しかし、最も期待されるのがビタミンB6ファミリーです。水溶性ビタミン剤なので、特に安全性も高く、しかもAGEが出来るのを抑える効果もアミノグアニジンに劣りません。この治療法については、コラムのコーナーで詳しくご説明いたします。
ご期待下さい。 |
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