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院長:牧田 善二
Doctor: Zenji Makita |
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研究の要約

糖尿病合併症の治療にすぐに役立つ臨床研究を糖尿病医の立場から行ってきました。

The New England Journal of Medicine

(1991年9月19日号、Advanced Glycosylation End Products in Patients with Diabetic Nephropathy, N Engl J Med 325: 836-842, 1991)に糖尿病の人の血液中にはAGEが溜まっていること、特に腎臓が悪くなるとそれが著しくなり、糖尿病合併症の悪化の大きな原因になっていることを発表しました。この雑誌は世界中の医師が最新、最高の医学知識を得るために毎週欠かさず読むもので、わたしの論文も、血糖値ではなく合併症が重要だということを再確認させたものとして大きな反響がありました。 |
Science誌

(1992年10月23日号、 Hemoglobin-AGE: A Circulating Marker of Advanced Glycosylation, Science 258: 651-653, 1992)に糖尿病合併症の検査として血液中のAGEの測定が重要であることを発表しました。同時に糖尿病合併症治療薬の開発には HbA1c(糖尿病の過去1~3ヶ月の平均血糖値)ではなくAGE測定が必要であることを明らかにしました。この論文は、糖尿病治療法に新たな黎明を与えたと評価されました。また、この号は、偶然にも(幸運にも)「日本の科学」を紹介する特集号で今の天皇陛下の(ただ著差名はAkihitoとなっています。苗字はないのでしょうね)記事が載っていました。そこでは、徳川家康や長崎出島の写真とともに日本の科学の歴史が判りやすく書かれています。天皇陛下が研究されていたのはIchthyology(魚類学)であることも初めて知りました(Akihito, Early Cultivators of Science in Japan, Science, 258: 578-580, 1992)。
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The Lancet 誌

(1994年6月18日号、Reactive Glycosylation
Endproducts in Diabetic Uremia
and Treatment of Renal Failure,Lancet
343:1519-1522,1994)に血液中のAGEは糖尿病の腎臓疾患(糖尿病腎症)を悪化させる重要な要因であり、血液透析を受けるような腎臓の悪い糖尿病者では血液中のAGEを低下させる治療が必要であることを明らかにしました。同時に、糖尿病者では透析よりも腎臓移植治療の方がAGE除去効果ははるかに優れていることも報告しました。わが国でも、腎臓移植治療がもっと進むことが期待されます。 |
Diabetes誌

(1997年5月号、Progression of Nephropathy in Spontaneous Diabetic Rats Is Prevented by OPB-9195,a Novel Inhibitor of Advanced Glycation,Diabetes 46:895-899,1997)に、AGE形成を抑える薬を飲ませると(ラットでの研究)、血糖値が270mg/dlもの高血糖の糖尿病でも腎症(腎臓が悪くなる余病)はほとんど起こらないことを報告しました。つまり、AGEが合併症の重要な原因であることを証明したとともに、AGE形成阻害剤で合併症は抑えられるが分かったわけです。血糖が高くても合併症治療薬を飲んでいれば大丈夫というこの発表は、糖尿病の方々に大きな希望を与えるもので、当時の読売新聞に取り上げられわたしの患者さんも大変喜んでくれました。 |
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