AGE 内科クリニック
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2006年04月24日

東海林ただおさんとの対談

オール読物5月号に漫画家の東海林ただおさんとの対談が掲載されました。

投稿者 ageclinic : 23:22 | コメント (0)

2006年04月18日

日経BPに院長紹介の記事が掲載されました

日経BPに院長と著書を紹介した記事が掲載されました。

http://www.nikkeibp.co.jp/news/life06q2/501771/

投稿者 ageclinic : 22:15 | コメント (0)

2006年04月03日

週刊文春

平成18年3月30日発行の週刊文春に院長の著書「糖尿病専門医にまかせなさい」が紹介されました。

投稿者 ageclinic : 06:19 | コメント (0)

2006年03月24日

著書「糖尿病専門医にまかせなさい」が発売

平成18年3月28日 院長の著書「糖尿病専門医にまかせなさい」
が文藝春秋社から発売されます。

糖尿病の治療に決して失敗しないで下さい。
とくに注意していただきたいのは:
1.「血糖値さえ下げれば糖尿病は治る」は誤解
2.「血糖値を下げていれば合併症の心配はない」は誤解

の2点です。合併症を起こさない最新・最強の治療を紹介します。

投稿者 ageclinic : 08:25 | コメント (0)

2005年07月02日

夕刊フジ

名医20人のNo.9に選ばれました。

投稿者 ageclinic : 11:50 | コメント (0)

2005年03月31日

スローフードと糖尿病 早食いは血糖値を上げますよ!

巷ではスローフードという言葉が流行っています。ゆっくり時間をかけて食事を楽しみましょうという運動のようです。なるほど最近はすべてがせっかちになってしまい食事もゆっくり落ち着いて食べるなんてことなんて中々難しくなってきていますね。

しかし糖尿病の方(予備軍の方も)は是非、食事に時間をかけて欲しいと思います。実はこれが血糖値を下げる最も簡単な(?)方法だからです。まず早食いとゆっくり食いを比較した下のグラフを見てください。

01.gif

これは50グラムのブドウ糖水を一気に飲んだとき(5分間)と、3時間かけてゆっくり摂った時の血糖値の変化を表したものです。一目瞭然で早食いだと30分後に血糖値は140位に上がっているのが、ゆっくり食べるとほとんど血糖値は上がりません。

もっと差が明らかなのは下のグラフのインスリンの分泌状態で、早食いだとビックリするほど大量のインスリンが出るのに比べゆっくり食べた場合はこれが出ていません。インスリンが出すぎると糖尿病予備軍になります。また糖尿病の方でインスリンが出過ぎると膵臓に無理がかかり、やがて薬が効かなくなります。早食いは糖尿病、予備軍両方の方にとって大敵ですね。さらにインスリンが出すぎると太ります。やせたい方には早食いは大敵です。

01.gif

実は、これらは最新のアメリカの糖尿病の教科書の食餌療法の部分に書かれております。
この教科書には、日本のものとは異なりカロリー制限や食品交換表の話は一切書かれいません。
最新の研究重視と実行しやすい食餌療法がアメリカ式です。

ちなみに食事のポイントとしてこの教科書では、糖質(炭水化物)の腸からの吸収を遅らせることの重要性を最新のデータを示し強調しています。

その方法は
1. 食事の回数を増やす。
2. 食物繊維を摂る
3. GI値の低い食品を摂る(豆類、大麦、パスタなど)
4. 糖質の吸収を遅らせる薬剤などを使う

その効果は
1. 食後の血糖上昇をなだらかにする
2. 食後のインスリン値を低下させる
3. コレステロールが下がる
4. 尿酸がさがる
など10項目をあげています。

投稿者 ageclinic : 06:54

2005年03月30日

治療の基本 −血糖値じゃなくて合併症!−

糖尿病になると血糖値のことがどうしても気になってしまいます。ジェットコースターのように、上がったり下がったりする数値に振り回されていませんか?

でもあなたにとって本当に大切なのは、数値ではなく合併症だということをどうぞ忘れないで下さい。例えば、腎臓の合併症は大丈夫なのか? 5段階ある中の、いま何段階なのかをきっちり理解した上でその対策を考えましょう。なぜなら糖尿病の治療は合併症の状態で1人1人違うものなのですから。

投稿者 ageclinic : 02:46

2005年03月29日

よく聞かれる質問:Q & A よく聞かれる質問:Q & A

1. 糖尿病が心配な方々へ

<Q1>: 糖尿病って、遺伝するんですか?

<A1>: 糖尿病(特に2型糖尿病では)が起きるのには遺伝が大きく関係しています。

例えば、両親とも糖尿病だと、子供さんが糖尿病になる確率は何と75%という高率です。さらに片親だけが糖尿病の場合でも、子供さんが糖尿病になる率は25〜30%もあります。したがって、親が糖尿病の方は、この病気になり易いことがお分かりになったと思います。

このように糖尿病の危険が高い人は、是非予防して欲しいものです。幸いなことに、すぐに糖尿病になることはなく、予備軍(検査では境界型)という状態が普通3〜4年はあります。この時期に予防できれば糖尿病に成らずにすみますよ。

でも、全く家系に糖尿病の方がいない方も沢山なってしまっています。遺伝的に大丈夫と決して安心は出来ませんよ! 年に1度は糖尿病の血液検査を忘れずに!
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<Q2>: 糖尿病って、一度なったらもう治らないのですか?

<A2>: 初期だと治る可能性があります。

糖尿病は、時間が経ってしまったらもう治りませんが、初期(普通糖尿病になって1年以内位)や予備軍の状態の時は治す事ができます。

一般的に糖尿病は何年もかかって少しずつ病気になってゆきます。したがって、最低年に1回検査をしていれば、一歩手前の予備軍の状態で発見することが十分可能で、糖尿病を予防できます。

糖尿病の人は700万人(40歳以上の1割です)もいるといわれていますが、予備軍の人もほぼ同数います。ひょっとしたら、あなたもすでに予備軍になっているかも知れませんよ! 
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<Q3>: 自分が糖尿病の予備軍かはどうしたら分かりますか?

<A3>:糖負荷試験という検査を行えば分かります。

ブドウ糖水を飲んで2時間まで30分ごとに採血するだけの比較的簡単な検査です。尿糖が1度でも出た方、危ないといわれた方は必ずこの検査を受けてもらいたいものです。

その時血糖値だけでなく、インスリン値も必ず測ってもらいましょう。そうすれば、糖尿病になる危険度まで、かなり精確に判定することが出来ますよ。
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<Q4>: 実は検査で糖尿病の烙印を押されるのがとても怖いのですが?

<A4>: 検査の結果を恐れないで、自分の健康状態を見極めてください。

テレビや新聞で毎日のように糖尿病が話題になっているので、自分も気にはなるが検査結果を聞くのがとても怖いというお気持ちはよく分かります。

でも、ちょっと考えてみてください。早めに見つけることが出来れば、治すことだって出来るのですよ。逆にこじらせて余病が進んでからの治療は大変です。例えば、専門医とし、もう少し早く来てくれたらもっとよい治療が出来たのにと悔やまれることも多いものです。一番いいのは、予備軍の内に発見し、糖尿病にならないうちに予防することですよ。
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<Q5>: 血糖値って何ですか?

<A5>:  血液の中に含まれるブドウ糖の量です。これが高くなるとあなたも糖尿病の仲間入り?

健康診断などではよくグルコースと書かれています。意外と知られていませんが、これは血糖値のことです。200を超えたら、まぎれもなく糖尿病です。また朝食前の値だと126以上でもう糖尿病(正常値は110以下です)。110以上126以下でと予備軍と思われます。専門医に精密検査をしてもらってください。

投稿者 ageclinic : 22:43 | コメント (0)

2005年02月27日

新しいインスリンはとても良いですよ

 2003年12月12日に全く新しい持続型インスリン(ランタス)が発売されました。

 このインスリンは1日1回の注射で血糖値を大きく改善することが出来るため、いま飲み薬でいまいちという方にもピッタリです。 欧米では3~4年前にすでに発売されており素晴らしい成績がすでにたくさん発表されています。

 権威のあるアメリカ糖尿病学会雑誌(Diabetes Care 2003 11月号 治療改善試験 -持続型インスリンを飲み薬で治療中の糖尿病(2型)の方に応用 -Diabetes Care (2003)26, 3080-86)の報告を翻訳して紹介しましょう。

要旨
 オレゴン、テキサス、ニューヨークなどの大学病院での研究です。薬を飲んで治療中の方でHbA1c値が7%以上の人(=血糖がちょっと高い)に寝る前に中間型インスリン(以前からあるインスリン)または持続型インスリン(今回許可される新しい持続型インスリン)のいずれかを打ってもらい、効果を比較しました。

 打つ前のHbA1c値の平均は8.6%程度ですが、いずれのインスリンを注射しても大きな効果が認められ6.96%位に改善しました。しかし両インスリンの大きな違いは副作用の「低血糖」の頻度でした。寝ている間に起こる低血糖の頻度は新しいインスリンの方が25%も少なかったのです。

 結論:寝る前1日1度だけ新しい持続型インスリンを行う治療は簡単で効果的であり、血糖を改善するための標準的治療法として推奨できる。

 血糖が薬でなかなか下がらなくて困っている方、寝る前1回だけのインスリンはとても効果的ですよ。専門医に是非相談してください。

 追加

 私のクリニックの患者さんで、薬ではどうしてもHbA1cは9%くらいまでしか下がらない方が、このインスリンを寝る前12単位で今はなんと6.2%にまで良くなりました。すごい効果ですね。

 合併症が心配な方はこの最新のインスリンをトライしてください。

投稿者 ageclinic : 13:46 | コメント (0)

2005年01月18日

手足シビレませんか −ひょっとしてあなたは糖尿病?−

寒くなると持病の腰の神経が痛むなどということをよく聞きますね。
実はこんな神経の病気が糖尿病と深いかかわりがあるのです。

あなたには手足の先が何となくシビレる、あるいは足の裏に何か付いているような
妙な気がするなどの症状はありませんか。
実はこれこそが多くの糖尿病患者さんが始めて経験する症状なのです。
心当たりのあるあなたはすでに糖尿病になっているのかも知れませんよ。

糖尿病は眼にくるとことは皆さんご存知と思いますが、
案外神経がやられることは知られていません。
始め患者さんは気が付きませんが専門医が診察すると
なんと約7割の糖尿病の方にこの障害が見つかります。

シビレは最も初期の症状で、これがきっかけで病院に行き糖尿病が見つかる例もよく経験することです。
糖尿病で失明するのも恐ろしいことですが、軽いシビレといえども決して馬鹿には出来ません。
思わぬ結果が待っていた例をご紹介します。

Sさんは糖尿病の余病が原因で、神経がすっかり麻痺し最後は足を切断することになりました。
実は糖尿といわれた後も、タバコは40本、お酒好きで
ビールや日本酒をそれこそ浴びる生活を続けていたようです。
なにせ症状が全くなかったので周囲には「糖尿なんて気にしちゃいられないよ。
俺は太く短く生きるのさ」と口癖のように話していたようです。

こんな調子なのでもちろん病院通いも途切れがち、初めての自覚症状がこの手足のごく軽いシビレでした。
しかし次第にシビレは痛みに変わり、ついには夜も眠れない状態になりました。
それを紛らわすため寝酒の量も2合3合と次第に増えて行きました。
このため一度入院してお酒を断って症状はすっかりよくなったのですが退院後、ぷっつり来なくなりました。
この治療中断が致命傷でした。それから2年後「足が真黒くなった」と別人のように痩せて、
しょげ返ってこられたときは私も本当に驚きました。ひどい壊疽(えそ)を起こしていたのです。

「退院後、酒を始めたらシビレが再発してきた。でも最近はすっかりシビレが治り安心していたのに、
急に足の先が黒くなってきた」と訴えていました。治ったのでなく足の知覚神経が全く働くなったためです。
診察で足を思いっきりつねっても、もはや何の感覚もありませんし、
皮膚は氷のように冷たく血液がほとんど通っていないことが分かりました。
こうなると壊疽が起こるのです。

歌手の村田英雄さんの例と同じで足を切断する必要がありました。
初めてシビレが起こったときにちゃんと治療しておけば
決してこんな事態は起らなかったのが返す返すも悔やまれます。
やはり軽い症状でも決して放っておいてはいけません。
あとで取り返しの付かないことになるのです。

もちろんシビレは糖尿病以外でも起きます。
脳卒中後遺症や首や背骨の病気のほか、男性ではアルコール、
また女性では手首のところでの神経の圧迫でも起こります。
いずれが原因の場合でも早いうちだと飲み薬で結構よくなりますが、
進行すると手術や特殊な治療が必要になりやっかいになるのです。

 さて、糖尿病で神経が悪くなったときの症状は、シビレの他、こむら返り、
下痢・便秘、尿が出ない、立ちくらみが起きるなどさまざまです。
いったいどうしてこのように多くの症状が出て来るのでしょうか。
この不思議を理解するためにはまず「血糖値」とは何かを正確に理解する必要があります。
専門家として、この言葉は子供からお年を召した方まで一人一人に大切だと思っています。
食生活、運動など健康一般に大きく関わっているからです。

壊疽などの怖い話はこれくらいにして、次回は「血糖値」の話を
すこしリラックスして聞いてもらいたいと思います。
お楽しみに。

投稿者 ageclinic : 22:47

糖尿病合併症を抑える薬を必ず 忘れえぬKさんの言葉

 「牧田先生、アメリカまで行って研究されるなら、合併症を起こさない薬を何とか作ってもらいたいものだ」。「えー、どんな薬ですか」。「この薬さえ飲んでいれば、絶対余病が起きない。そんな薬を先生が作ってくれたらどんなに高くたってわしゃ飲みたいもんだ」。何気なく話された当時67歳のKさんの言葉が、わたしの人生を大きく変えました。

 その言葉を聴いたのは、いまから14年前、北海道の小さな病院で4年半ほど勤務していたころです。やっと念願の米国留学が決まったことを話しました。Kさんは2週間ごとにわたしの外来にずっーと通ってこられ、世間話なども気さくにする仲になっていました。別れがちょっと寂しそうな様子でしたが、続けて「わたしも長いこと糖尿を患っている、今は好きな酒も辞めて治療に励んでいる。でも本当いうと毎日浴びるほど酒を飲んでみたい。毎日好きなものをたらふく食っていたい。それを我慢しているのは、余病が怖いから」と、まるで長年隠していたことを告白するよう話してくれました。考えてみると、なるほど食欲は人間本来のもっとも大切な欲求です。制限なく飲み食い出来ることは、すべての患者さんにとっての夢でしょう。またその希望を叶えることこそ医療の役割です。なるほどKさんには糖尿病の薬を飲んでもらっているが、その薬は血糖を下げるだけで合併症を抑える薬ではない。つまり「血糖値がどんなに上がっても合併症を起こさない薬」がいまもっとも求められているのです。この研究を何とか向こうでやってみようと固く心に誓いました。

 留学先はニューヨーク市にあるロックフェラー大学で、そこは昔、野口英世が働いたところでした。わたしを採用してくれた教授は世界的に有名な方でしたが、大変厳しい人で完全な能力主義者でした。すなわち、日本的な温情などは微塵もなく、仕事が出来ない人は遠慮なく辞めてもらうというタイプです。世界中から優秀な研究者が集まってきますが、1年半ほどで、無能と判断され寂しく去って行くのをたくさん眼にしました。わたしに対しても同様で、はじめは腕前を見るため、あまり重要でない研究テーマを与え様子を見ています。こちらも意地があり、1日15時間働くというきついノルマを作り、何とか認められるよう必死に頑張りました。アメリカやヨーロッパの研究者は2−3週間の夏休みを取りますが、わたしは一切取らなかったので同僚の中には嫌味を言う人もいました。

 1年ほど経ち、そろそろ仕事振りを認められてきたかなと考え、恐る恐るわたしの研究の希望を教授に話しました。しかし、予想に反しいつも怖い顔をしている教授は笑みをたたえ言いました。「わたしも同感だ。糖尿病の研究で最も大切で、遅れているのは合併症の研究だ。合併症を良くする薬を1日も早く作らないといけない」。最後に「実はわたしの母もひどい糖尿なんだ。その母のためにもね」といい最後に小粋にウインクをした。やっと、わたしの希望にピッタリな新しい糖尿病合併症治療薬の研究を任せくれたのです。そのときは認めてもらえたという喜びで「かならず期待に沿えるよう頑張ります」と硬く握手を交わし部屋を出たのを今でもはっきりと覚えています。Kさんの夢を叶える薬の研究がやっとスタート出来たのです。寝る間も惜しんで仕事を続けました。その薬はかなり有望で、多少血糖値が高くても糖尿病の合併症は抑えることが出来そうです。仕事上でもちろん辛いこともたくさんありましたが、研究結果を権威のある科学紙に発表するときは、同僚みんなが祝ってくれ、教授が肩を何度も叩いて喜んでくれました。そのとき、ここまで頑張れたのはあのKさんの言葉のお陰だと心から感じました。

 「たらふく食べ、浴びるほど飲む」といったあの言葉は、Kさんばかりでなく、不幸にして糖尿病になられた方共通の願いでしょう。わたしは、長年の研究を通して、糖尿病の合併症は薬でかならず抑えることが出来ると確信しています。

投稿者 ageclinic : 22:46

糖尿病と糖尿病合併症は違います!

 「目が見えなくなったりしませんか」「知人が糖尿で血液透析をしているのですが私は大丈夫でしょうか」。

 糖尿病とはじめて言われた方がまず不安を感じるのはこんなことでしょう。このような方への説明にはまず、糖尿病と糖尿病合併症の違いをはっきり理解してもらう必要があります。実は医学的にはこの2つは全く異なっています。たとえば、医師はカルテに糖尿病と糖尿病合併症を異なった病名として記載しています。

 まず糖尿病ですが、これは一口で言うと血液中の血糖値が高くなった病気です。その判定はまことに簡単で朝食を取らずに計った血糖値が110(mg/dl)以下だと正常、126以上だと糖尿病となります。たった20位の値の差で糖尿病の烙印を押されるのに強い抵抗を感じる方も多いようです。ましてなんの自覚症状がなければ「こんなに元気なのにどうしてわたしが?」と思われる割り切れないお気持ちにきっとなるでしょう。でも、本当は症状に気が付かないだけなのかもしれませんよ。

 たとえば高血糖では密かに脳神経系に影響が及んでおり、食後の思考力の低下、疲れやすさ、眠気などが起こっています。「食べた後眠かったのが、糖尿の薬を飲んでからすっかり取れた」などという声をよく聞きます。また免疫力が大きく低下しますから、風邪を引きやすくなったり、傷が治らなかったり、ひどい水虫に悩まされることがしばしば起こります。50代の女性の方で、皮膚の吹き出物がひどくどんなに高い化粧品を使っても直らない方がおりました。皮膚科の先生から、ひょっとしたら糖尿かも知れないねと言われ調べたらその通り。糖尿病に治療とともに皮膚はすっかり完治した例もあります。ですから血糖が高ければ本当に元気だとは言えない状態なのですよ。

 一方糖尿病合併症とは糖尿病になった後、5年以上経ってから徐々に起こってくる余病のことで目、神経、腎臓に起こってきます。例えば目では、始めすこし目がかすむくらいの軽い症状がですが、進むとある日突然まったくものが見えなくなるということが起きます。次に神経の障害では、両方の手足がジンジンしびれたり、ぴりぴりした痛みが起こります。とくに夜になるとひどくなり眠れなくなるほどになります。こむら返りや男性の性機能低下もその症状のひとつです。立ちくらみは起き上がるとき血圧が急に下がるために起きますがこれも合併症で起きてきます。注意しなければならないのは、この神経障害が進むとこの手足のシビレや痛みがまるで何事もなかったように消えてしまうことです。これをよくなったと誤解する方がいますが、実際は神経が全く働かなくなってしまうほど悪化したためなんです。

 最後の腎臓の症状はまず足や顔のむくみから始まります。このむくみは段々悪化して、それに伴い尿がだんだん出なくなります。尿が出なければ体の老廃物が毒素(昔は尿毒といいました)となり溜まってしまうのでこれを取り除くため最終的に血液透析が必要になります。

 従って糖尿病と糖尿病合併症の区別は、まず糖尿病が起き、その一部の人に続発して起こってくる余病が糖尿病合併症ということになります。初めは糖尿病だけ、後でこれをこじらせた人にだけ糖尿病合併症が起きると考えてもよいでしょう。したがって糖尿病だけなら恐れることはありません。むしろこいつを悪者だなどと毛嫌いせずに、体に気をつけるための番人と思って上手に付き合ってゆきましょう。つい最近「糖尿といわれショックだったが、食事を徹底したらこんなにやせた」と嬉しそうにズボンの弛みを見せてくれた方などは、本当に付き合い上手だと思いました。

 でも不幸にして糖尿病合併症の病名が付いてしまった人も決して悲観する必要はありませんよ。最近は目の手術の技術が飛躍的によくなり、麻酔を上手につかった痛くないやり方で見えなくなった目を助けることが出来るようになりました。また血液透析も技術が向上し、短時間でしかも回数も減ってきています。この透析を受けていればほぼ普通の日常生活が送れます。よく血糖値の数字の値ばかりを気にして、いつも落ち込んでいる方がいらっしゃいますが本末転倒ですね。大事なのは決して数字ではなく合併症を起こさないこと、進めないことです。ですから、糖尿病の方はまず、自分は合併症があるのか、あるならどの合併症で程度はどの位なのかを必ず確認してください。それが判れば必ずいい治療法が見つかるはずです。

投稿者 ageclinic : 22:46

GI値の低い物を食べよう  −ダイエットにも有効−

今回のGI値のお話は、多少学問的ですが糖尿病の方はもちろんダイエットに興味のある方にも是非知ってもらいたいと思います。

 これを理解してもらえば血糖値を上げない賢い食事が出来るので毎日の食生活に役に立つでしょう。では早速勉強を始めましょう。

 実は、ある食べ物を一定の量を食べたとき、一体どのくらい血糖値が上がるかはすべてわかっています。この血糖値の上がり易さを表した数字をGI値(ジーアイち)といいます。実際は、たんぱく質や脂肪はほとんど血糖を上げないので糖質が重要ですが、その糖質の中でも種類によっても血糖の上がる度合い(値)は大きく違います。

 例えば砂糖、ご飯、食パンなどはすべて糖質ですが血糖を上げる力(値)は違います。食パンは264カロリーですがご飯は356カロリーと高いので、後者を食べたほうが血糖が上がるように思いますが、結果は何と逆です。カロリーの点では少なかった食パンのGI値は91でご飯は84なのでの、パンのほうが血糖値が上がるのです。血糖値が上がると太る原因となるインスリンが増えるのでまさにダイエットの敵でもあるのです。ダイエットや糖尿病治療の先進国である欧米では、カロリーだけでなくこの値にも注目して食事に気をつけているのです。もしかしたら、あなたは知らず知らずのうちに高値の食べ物を取りすぎているかもしれませんよ。

 まず主食の白いご飯ですがGI値84ですべての食品の中でもかなり高い値です。これと比べておなじお米で、しかもカロリーはまったく同じ玄米では55、発芽玄米だと54とはるかに値が小さいのです。つまり、白いご飯を後者に変えるだけで食べた後の血糖値が上がらなくなります。先ほど述べたように白い食パンはGI値がご飯以上に高いのですが、ライ麦パンだと約半分の58、全粒粉パンだともっと良くて50です。一般的に、米でも小麦粉でも精製度を上げるほどGI値が高くなるようです。うどんの値は80で結構高いのですが、そばは59です。ダイエット中の方は絶対そばがいいですね。

 野菜のGI値はみな低めで、30前後ですが、例外はじゃがいもの(GI値90)とにんじん(GI値80)の2つです。食べてはいけないことはありませんが食べる量にすこし注意が必要ですね。また、意外に肉はGI値が低く、しかも牛、豚、鶏肉で大差なく大体45くらいですからあまり血糖は上げません。ただカロリーは牛と鶏で2倍以上大きく違いますからら、ダイエット中の人は鶏肉がいいでしょう。豆類はすべてお勧めで納豆はたったの33、枝豆も30です。じつは一番GI値が低いのが海藻類で、例えばところてんはたった11、寒天は12、海苔は15ですから糖尿の方やダイエットには理想的な食べ物ですね。

 最後にお菓子類を見てみましょう。残念ながらのはGI値が高いものが多く、とくに大福88、どら焼き95、かりんとう84、せんべい89など和菓子は驚くほど高いものが多いようです。これに比べ洋菓子では、生クリームのケーキが82、チーズケーキが75と予想外に和菓子より低い値です。でもドーナッツとチョコレートは、それぞれ86と91で最も値が高いお菓子です。以前お勧めとしてあげたゼリーは46、プリンは52ですから血糖値を上げないお菓子といえます。
果物は、大体30から40くらいで、いまが旬の柿が37ですから、和菓子や洋菓子よりは血糖が上げません。デザートを果物に変えるのは賢い考えですね。でも美味しいからと2個3個と食べすぎて意味がありませんよ。

 さてGI値の立場から血糖値をさげるポイントをまとめると、
1.白米や白いパンを発芽米やライ麦パンなどに変える(とにかく白はよくない)。
2.GI値の低い野菜、豆類、海藻をたくさん食べて満腹感を満たす。
3.血糖が上がるのは和菓子>洋菓子>プリン>果物>ゼリーの順なので賢く選びましょう。

 いろいろ述べましたが、食べ物は人生のもっとも大きな楽しみです。あまり神経質になりずに、でも私のアドバイスをすこし心の片隅に止めてくれればと思っています。

投稿者 ageclinic : 22:45

血糖値を上げない工夫 −甘いもののとりすぎに注意−

 血糖値がほんの少しでも上がるだけで、予想外の病気を引き起こすことを説明してきました。つまり人間は各器官が調和してはじめて全体として機能することができるわけです。
この調和を守るには、まず日ごろの食生活に細心の注意を払うことが大事です。皆さんが実行しやすいように血糖値を上げない工夫を3つの点に絞ってお話しましょう。これは、すでに糖尿病や境界型の方だけでなく糖尿病にはどうしてもなりたくないと考えている方々にも大いに参考になると思います。

 まず第1は、清涼飲料水やドリンクを止めることです。血糖を上げる砂糖やブドウ糖が大量に含まれているからです。例えば無果汁ジュースの中身の1割以上が糖質(砂糖)で、コップ2杯飲んだだけでご飯茶碗1杯分を食べたカロリーになります。しかもご飯のように消化吸収の手間がかからない分、血糖値の上昇はずっと大きくなります。スーパーに行くと、無果汁ジュースやコーラは2リットル入りの大きなプラスチックボトルで売っているます。安くて美味しいのでついつい水代りにがぶがぶ飲んでしまいますね。最近、これらの飲みすぎからある日突然、突然意識がなくなるほどのひどい糖尿病を起こす例が増えています。血糖値が正常の10倍以上にまで跳ね上がり脳が活動できなくなったためで、治療にはインスリン注射が必要になります。

 こんなことにならないためにもやはりのどが渇いたら水を飲みましょう。じつは健康ドリンクも同様で糖が入っているので血糖値を上げます。ビタミンなどの栄養を補給はドリンクではなく錠剤のもので取りましょう。そうすれば血糖値を上げることはありませんね。

 第2点は、揚げ物を減らすことです。揚げ物には油がたくさん含まれており、それには糖質の2倍以上のカロリーがあります。太るばかりでなく血糖を長時間上げる原因にもなります。糖尿病の患者さんは「団子は一時的に血糖を上げるが、から揚げを食べた後は1日中上がったままだ」などとおっしゃいます。経験的によくないことを知っているのですね。中にはてんぷらの衣をはずして食べる人もいるほどです。とんかつ、フライドチキンなども同様で毎日食べるのは考え物です。週に2回くらいに減らしましょう。

 最後に血糖を上げないためにはやはり甘いもの(糖質)に注意が必要です。血糖を上げる力が脂肪やたんぱく質などよりも強力だからです。医学的にはご飯やパンも糖質(炭水化物)に含まれますが、現実にはやはりお菓子類をどう取るかが最大の問題でしょう。ポイントはカロリーが少なく、しかも糖質含有量の少ないお菓子を選んで食べることです。よく和菓子は良くって洋菓子は血糖を上げると思っている方がいらっしゃいますがそれは間違いです。例えば、スポンジケーキと練り羊羹はカロリーが300(100グラムで)前後で変わりませんが糖質の量が54対70と羊羹がかなり多くしたがってむしろ血糖は上がりやすいことになります。和菓子が安心とはいえませんね。ところで平均的なお菓子は300カロリーくらいですが、これはご飯なら約2杯分に当たりますから結構なものです。このくらいの高カロリーのお菓子を食後すぐに食べると血糖が上がりすぎます。むしろ食後2,3時間してからおやつとしてお茶やコーヒーなどと食べるほうが良いでしょう。もちろん1日1回までで2回以上は血糖の上げすぎです。

 コーヒーゼリー、オレンジゼリーはたった50カロリー前後、しかも糖質が1割前後と少ないため血糖値をあまり上げませんからお奨めです。洋菓子ならショートケーキよりシュークリーム、和菓子ならせんべいよりくし団子のほうがカロリー、糖質量とも少なくいいでしょう。またカロリーが意外に高く避けたほうがよいのが、かりんとう、ポテトチップ、ビスケット、クラッカー類です。中でもポテトチップは550カロリーで、なんとこれだけで1日分の1/3のカロリーになります。是非やめて欲しいですね。

 甘いものをたくさん食べたいなら、砂糖を止めてダイエット甘味料を使いましょう。たとえばステビアなどは安全で美味しくしかもカロリーは何と砂糖の何10分の1です。砂糖がたくさん必要な煮物やお菓子作り、普段飲むコーヒーなどに使えば大きな効果があるでしょう。

 さて血糖値を上げない工夫はまだ続きます。次回はさらに最新の医学に基づいたお話をしたいと思います。

投稿者 ageclinic : 22:44

血糖値て何ですか −上がっても下がっても怖い−

 「血糖値」という言葉、聞いたことがあるでしょう。みんなが注目している人気者?でしょうか。でも糖尿病の人には悩みの種です。わたしの患者さんは「酒を飲んでいてもいつもこれが頭をかすめる。もう心から楽しめなくなってしまった。本当にいやなやつ、それが血糖値だ」といっています。むしろみんなからの嫌われ者でしょうか。ではこいつの正体は何なんでしょう。今回は専門医として、基本的な知識をまずお話しましょう。若い方にもちょっとだけ注目して欲しいと思います

 血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度を表した数値です。このブドウ糖はご飯やパン、砂糖などの炭水化物に含まれています。例えば朝、ご飯を食べると、消化酵素の働きで胃や腸で小さく分解され最終的にこのブドウ糖になります。そして小腸の小さい孔から吸収され体の血管の中に入ってゆきます。およそ30分ほどで徐々に血液の中にブドウ糖として取り込まれ、血液中のブドウ糖が増え、血糖値が上がることになります。普通食べる前のブドウ糖の量は血液100ml中に80mg(80 mg/dlと書きます)ですが、食後は130mg位まで増えます。すなわち血糖値は食べ物や運動で値が大きく上下することということを是非覚えておいて下さい。それと、お酒は炭水化物ではありませんが血糖値を上げます。

 ブドウ糖はからだを動かすエネルギー源としてとても大切な役割を果たしています。とくにわれわれの脳はこのブドウ糖がないと全く働くことができません。ただ単に考えることができなくなるだけでなく、昏睡状態になり死亡することになるのです。ですから、この値は低くても良くありません。低くなったときの最初の症状は、強い空腹感です。さらに、あくびがでたり眠気が起こったり思考する能力が低下します。つまり脳の働きが落ちてきた症状です。このため人によってはイライラが生じたり怒りっぽくなることもあります。仕事が忙しくって長時間食事が取れなかったときなどそんな経験あなたもありませんか。しかし、これらの症状はほんの少し血糖値が下がっただけでおこり、大きな害は全くありません。実は体には大量のブドウ糖が蓄えられているので、血糖がひどく下がることは普通はないのです。

 問題は、やはり血糖値が高くなるほうですね。食後にやたらのどが渇いて水を何杯も飲んでしまうとか、今までは夜はぐっすり眠っていたのに、最近尿に起きるようになったなどは最もよく聞かれる症状です。また、男性の方では、尿をするときに泡がたくさん出るなどと言われます。これは多量のブドウ糖が中に入っているための症状と考えられます。女性の方は、食事をとった後、妙に眠くなり昼寝をするようになったといわれます。これは血糖値が上がると脳の活動が鈍くなるからです。男性の方なら、なんとなくしゃきっとしなくなったとか仕事が億劫になってきたなどといった表現になります。いずれも年のせいだと考えてあきらめていることが多いのですが、実は糖尿病が隠れていることも多いのです。決して年のせいではなく血糖を下げれば、まだまだシャキッと出来るかもしれませんね。

 さて、この血糖値は決して急に高くなるのではなく何年も架かって少しずつ高くなってくるものです。とくに重要なことは糖尿病と正常の間に境界線上(境界型と呼ばれています)の人がたくさんいることです。「糖尿病の一歩手前だ」とか、「糖尿病の毛がある」と医者に言われた人は大体この境界型の人でしょう。まだ糖尿病でないのならすこし気を付ければ大丈夫なんだろうときっと思っているでしょうが、とんでもないことです。最近の研究は、この境界の人もすでに糖尿病の人と同じくらい心筋梗塞や狭心症に罹る頻度が増えているため、しっかりと治療が必要があることを確実に証明しています。もう危ない「糖尿病の境界線上」について、次回は詳しく説明したいと思います。

投稿者 ageclinic : 22:43

糖尿病の2つの顔 —恐ろしさとやさしさ— 早期発見、早期治療

「こうして目が見えなくなった今、もっと治療をちゃんとしておけばと本当に悔いが残ります」とうつむき加減で静かに語ってくれた様子は今でも忘れられません。かみ締めるように突然暗黒の世界に入ってしまった経過を当時56歳だったAさんは語ってくれました。

 13年ほど前から会社の健康診断では糖尿病の気があると言われ続けていたそうです。仕事をバリバリこなし、自分の健康には人一倍自信を持っていたため、かえって病気をはっきり宣告されることが恐ろしかったのです。また自分の食生活や酒のことを医者にとやかく言われるのが嫌で病院行きを避けていたそうです。「実は1年ほど前から少しずつ視力が落ちて来ており、ひょっとしたら余病がでたのではとかなり心配だった。今思うと病気から逃げていた」と厳しい表情でおっしゃいました。しかし、ある朝突然右目が全く見えなくなり、さすがに驚いて近くの眼科に飛び込んだのです。最終診断は、思いもかけない重度の糖尿病網膜症(もうまくしょう)による右目眼底からの大量出血というものでした。目に関してはもう手遅れで、近いうちに左目もだめになるだろうといわれ、このつらい宣告は数週間で現実のものになりました。入院後の精密検査では腎臓にも重い余病が及んでおり、近いうちに血液透析すら必要な状態でした。

 こんどは全く逆の例をご紹介しましょう。いつもやさしい笑顔で通ってこられる80歳後半の女性のBさんは、糖尿病といわれてすでに40年。3年前からは、薬が効かなくなったためインスリン注射を1日3回しています。同時に3回の血糖値検査も決して欠かしません。自分で採血し調べた値を手帳にこまめに書き込んでくれますが、こんな小さな字まで読めるのですねとわたしも驚いてしまうくらいです。「息子に犬を買ってもらった。おかげで朝夕の散歩は欠かせなくなった。」と笑っていました。「長生きしても家族に迷惑をかけるようじゃだめ。糖尿でインスリンを打つのも悪くないよ。3度の注射はわたしのボケ防止に一番効果があるからね」とさらっと語り帰って行かれました。背筋がピンと伸びて若々しい後姿を見ながら、本当に上手に糖尿病と付き合っているなあと感心してしまいます。同じ糖尿病になってもこの2人に大きな差が出てしまったのは、ただ1点、Bさんは早期からちょっとした基本的な治療を継続したというだけです。

 糖尿病で目が悪くなり失明することがあることは皆さんよくご存知だと思います。最も恐ろしい余病(医師は合併症と呼びます)のひとつですが、困ったことにこの余病で完全失明される方は何と毎年4千人以上に達しております。その原因のひとつに治療をほとんど行わない放置者が多いことがあげられます。幸いなことに、糖尿病の医療は進歩を遂げ、いい薬や治療法がどんどん出来てきています。インスリンですらどんな高齢者でも簡単に使え、痛みもほとんど感じないよう工夫されているのです。つまり、Bさんのように、ちゃんと早期から治療を行えば、40年たっても、目、腎臓、神経などすべての余病を完全に防ぎハツラツと暮らせるのです。通院中の方から「はじめは、糖尿病で通ってくるのがいやだったが、自分の努力で数値がどんどん良くなってくると嬉しくなり、結果を知るのが楽しみになってきた」などと聞きます。

 糖尿病は、治療を怠ると後で大きな代償を支払うことになる恐ろしい面を持つ一方、早くから治療すれば、恐れることは全くない病気といえます。

 早期発見、早期治療です。糖尿病外来の皆さんすべてがBさんのようにいきいきとして長生きしてもらいたいと心から願っています。

投稿者 ageclinic : 22:43

糖尿病から来る腎臓病(腎症といいます)は軽いうちなら完治します!

 糖尿病で恐ろしいのは合併症ですね。とくに腎臓が悪くなると透析になってしまいとてもやっかいなことになってしまいます。何とか避けたいものですね!

 この点に関して昨年(2002年)イギリスから素晴らしい報告がありました。軽症の腎臓病なら薬で完全に治ってしまうことが分かりました。とても良いニュースですよね。すこし難しいかも知れませんがその研究についてできるだけわかりやすく解説してみます。


 スライドを4枚使います。


 

 この素晴らしい研究はロンドン大学のビバリティー教授が発表しました。糖尿病の腎臓合併症の研究をワイフワークにされており、私も良く知っている先生です。

 英語の頭文字をとってマーバル研究と呼ばれています。

 糖尿病で腎臓が悪くなるとまず尿にアルブミンという蛋白が出てくるようになります。

 今まで判っている医学的な事実が書かれています。一言で言うとこじれてきた合併症が薬で治るのか? ということを調べました。


 効果がありそうな2つの薬を比較したのですが、実はいずれも血圧を下げる薬です。それでまず血圧を下げる力を比べました。上のデータでは両者全く効果に差がありませんね。

 ところが上のグラフを見てください。尿アルブミン改善効果はバルサルタンの方だけです。


 しかも腎臓を良くする効果は血圧が正常な人でも十分あります。


 これが結論的な大事なデータですが、29.9%の人に悪くなった腎臓が良くなった(正常化した!)という結果が得られています。

 手遅れにならない内に(!?)、腎臓を治しましょう!

投稿者 ageclinic : 16:51

実地医家へのやさしいワンポイント・アドバイス

糖尿病患者さんへの新しいアドバイス −ビタミンB6をお飲みなさいー


内科医なら誰しも、失明や透析に至った糖尿病患者さんを担当した苦い経験をもったことがあるでしょう。そんなときは自分の医療の限界を感じると同時に、何か合併症を抑えるいい治療が無いかと思わずにはいられません。


最近、ビタミンB6がそんな期待に応える薬として注目されています。糖尿病合併症を強力に阻止する作用があり、米国ではすでに糖尿病腎症治療薬として臨床治験が進められています。期待の最大の理由は副作用が無いと考えられるからです。本当にビタミン剤で合併症が抑えられるなら糖尿病患者、誰しもが飲んでみたいと感じるでしょう。しかも、作用機序のはっきりしない(エビデンスに欠ける)ビタミンB12とは全く異なり、B6の効果は最新の科学的エビデンスに基づいています。


B6にはピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンの3つの構造体が存在し、その主な働きはアミノ酸代謝に関与する各種酵素の補酵素作用です。近年、動脈硬化抑制作用があることも明らかにされています。糖尿病慢性合併症に対しては、その原因と考えられる終末糖化産物(AGE)生成阻害が作用点になっており、糖尿病動物への投与で糖尿病腎症阻止に優れた効果があることも確認されています。B6ファミリーはいずれもこのAGE阻止作用をもち治療薬の可能性を持ちますが、ピリドキサミンが治験薬として用いられており、わが国でも臨床治験が計画されています。


しかし、サプリメントや代替医療が好まれる現在では、この治験の結果を待つ必要は無いかもしれません。外来で「何か、病院で出されたお薬以外の治療を行っていますか」とか「病院で出せる薬以外の治療を行いたいですか」と尋ねて見て下さい。そして「それなら、ビタミンB6をお買いなさい。あなたの余病を抑える効果が科学的に証明されています」とワンポイントアドバイスを行っては如何でしょう。糖尿病学会で定めたガイドラインはHbA1cを6.5%以下に保つことですが、これを達成出来ない患者さん(=75%の糖尿病患者)には特にこのアドバイスが必要と思われます。

投稿者 ageclinic : 16:44

2005年01月17日

ライ麦パンと黒米  主食で取れる食物繊維で血糖値を下げよう

「真っ白い炊き立てのご飯」が大好きだった典型的日本男性の父の食生活が最近すっかり変わりました。いまは82歳とは思えぬほど肌つやがよく私も驚くほど元気いっぱいですが、この父も65歳のときに肺がんの大手術を受けたときは死を覚悟しました。助かったのが今では信じられない気がします。

 それに感謝してか、あれから人が変わったように健康に気をつけるようになりました。もちろん好きだったタバコはきっぱりと止めたのは当然のこと、運動や食べ物にも徹底的に気をつけているようです。たとえば「朝は、必ずパンと牛乳だ。朝からご飯だとどうももたれる」と聞いたとき、私は耳を疑いました。どうやら和食一辺倒だった父も、母との度重なる海外旅行ですっかりパンの美味しさを知ってしまったようです。「今は近くの老人ホームのドクターとして働いているが、ほとんどは俺より若い人を診ているんだ」と自慢顔に話す彼にいつまでも元気でいて欲しいと祈りました。

 そこで私はひとつアドバイスをしました。「主食をご飯ばかりでなくパンを加えたのはとてもいいけど、出来ればライ麦パンがいいよ」。「ライ麦パンって、こげ茶色していて黒っぽい粒が入ったやつか」。「そう。これには整腸作用やコレステロール低下作用のある食物繊維が白いパンの2倍以上含まれているので体にとてもいい」。「そういえば、このまえ北欧に行ったら、朝食の時に白いパンはひとつもなくなっていた。彼らは健康にも気をつけてそうしているんだな」と父は何度も頷いて言いました。

 このほか、食物繊維は血糖値を下げる働きがあり糖尿病の方にはとくに大切です。またお通じを良くし肥満を抑えるなど生活習慣病予防や最近増えてきている大腸がんを抑える働きにも注目が寄せられています。およそ1日に25gほど必要とされていますが、普通の食生活では必ず摂取量は不足しています。しかし、いちいち食物繊維の量を考えて食べるのは味気がありませんね。そこで一番手軽なのが、主食のご飯やパンにこだわることでしょう。食パンと同様で、真っ白いご飯は大事な食物繊維が少ない。これに対し玄米は約5倍、胚芽精米は約3倍含まれています。また最近は、発芽玄米というのもあります。玄米を温水に一晩か二晩つけておき、すこし発芽させたものですが、これは体に良いというだけでなく、玄米のように圧力釜などを使わずに普通に調理できて美味しいという利点をもっています。

 もうひとつ、私がとても気に入っているには黒米です。今では健康食品店には必ず置いてあるほどの人気のお米です。これを普通のお米を砥いで水加減をしたあとに一握りただぱらぱらと加えます。始めてのときはふたを開けその色に驚きました。ご飯がきれいな紫色に変わっていたのです。独特の歯ざわりが加わり、もち米のような甘味が増し私はとても気にいっています。古代からのお米で、お赤飯のルーツといわれているようです。しかも、この黒い色のもとが、前回お話しした赤ワインに含まれる長寿効果のあるアントシアニンなのです。

 主食は、毎日食べるものなので健康保持の上でとても大切です。皆さんが白米や漂白した真っ白いパンばかり食べているのであれば、思い切って変えてみませんか。先日母からの電話で「白いパンをライ麦パンに変えたが、食べなれるとこちらの方が味がいいわね」と言っていました。お酒がだめで赤ワインの飲めない母に、今度は黒米を勧めてみよう決めています。

投稿者 ageclinic : 23:32 | コメント (0)

2004年01月20日

コーヒーを沢山飲むと糖尿病を予防できる!?

Annals of Internal Medicine  2004 年1月号より

ハーバード大学およびその関連病院からコーヒーの素晴らしい医学的効果が報告されました。

12万5千人を対象に調べたこの大規模な医学研究で、1日6杯以上コーヒーを飲むと糖尿病の発症を男では何と50%、女性では30%も抑えることが出来ることが分かりました。しかも「カフェイン抜き」ではこの素晴らしい効果が半減してしまいます。残念ながら紅茶にはこのような糖尿病予防作用は全くありませんでした。

実は同じような研究報告が2000年にオランダから報告されており、コーヒーの不思議な効果はどうも間違いなさそうです。

ではどうして糖尿病を予防してくれるのか? 実は以前の研究ではカフェインはインスリンの働きを低下させ血糖値を上げるので糖尿病には良くないとされていました。しかし、これには体の代謝を活発にさせる働き、脂肪を燃焼させる作用などが知られており抗糖尿病に作用するのでしょう。

さらにコーヒー中にはカリウム、マグネシウム、抗酸化物質も含まれておりカフェインとの相乗効果でトータルではすばらしい効果が期待できるのでしょう。

さて糖尿病がチョッと気になるあなた、コーヒーでも飲みながらダイエットなど考えて見ては如何ですか?

投稿者 ageclinic : 00:00

2003年10月19日

糖尿病は増え続けています!!

最新医学情報 2  10月19日版

今年(2003年)8月に厚生労働省から糖尿病実態調査が発表されました。5年おきに調査しているのですが、平成14年度の状態が下の図のようになっています。

clip_image002.gif

この結果で注目されるのは、予備軍(糖尿病の可能性が否定できない人)が200万人も増えている点です。6.3人に1人の国民病ですね。

厚生労働省ではHbA1c値が5.6 〜 6.1%の方を予備軍と考えているわけですが、この方々は頑張れば正常に治る可能性があります。初めから糖尿病になってしまうわけでなく、予備軍の時期が3〜6年位あると言われています。是非この時期に発見して予防したいものです。

糖尿病は必ず予防できます!!

投稿者 ageclinic : 00:00

2003年03月18日

糖尿病患者を救う!?

超一流の医学雑誌にビタミンB1の素晴らしい効果が発表されました 


糖尿病患者を救う!?

ベンフォチアミン(ビタミオンB1の一種)

 糖尿病は増加し続け生活習慣病を代表する病気といえる。しかも治療を誤ると厄介な合併症に悩まされることになる。

 この糖尿病の合併症治療にビタミンが効果があるという研究発表が海外で報じられ、日本でもその理論に基づいた治療を進める医療機関が登場し始めている。

発表の内容


糖尿病になると、さまざまな合併症が起きることが悩みの種です。しかしこの悩みはビタミンを飲むことで解消されるかもしれません。


糖尿病合併症はAGE(エー・ジー・イーと読み、終末糖化産物と訳されています)が原因と考えられています。。血糖がコラーゲンなどのタンパク質に付着して変化した物質で、これが体の中に溜まってくると合併症が起きてきます。実はビタミンB1にはこの不要物質AGEを出来なくするすばらしい作用があること分かり、超一流の科学誌(ネイチャー誌、医学版)に発表され大きな注目を集めています。ビタミンB1を飲めば血糖値が高くても合併症を抑えてくれるなんて夢のような話ですね? 糖尿病で、血糖が下がらなくて合併症をいつも心配している方にはもちろん、予備軍の方たちにも素晴らしい朗報です。


網膜症の発症を抑える


ドイツの大学研究グループが解明


 ドイツ・ハイデンベルグ大学の研究者達は、ビタミンB1の一種であるbenfotiamineベンフォチアミン)に糖尿病性網膜症(眼の合併症です)に対する優れた予防効果があることを見出し,3月号のNature Medicineに発表しました。


Benfotiamineを、実際に糖尿病ラットに投与すると、高血糖により合併症を起こすAGE(終末糖化産物)などがほとんど出来なくなり、その結果、目の合併症が予防されることが分かりました。


 糖尿病では血管や組織の高血糖が続き、このため血糖(ブドウ糖)がコラーゲンなどの蛋白質に結合してAGE(エー・ジー・イー)が形成されますが、脂溶性ビタミンB1の一種、benfotiamineがこの形成を見事に抑制し、高血糖によって起こる害毒を取り除いたのです。


 この研究では、薬によって糖尿病にしたねずみ(糖尿病の検査で有名なヘモグロビンA1cはなんと16%でした。血糖値だと500mg/dlくらいに相当する高い値です)に、このbenfotiamineを36ヶ月間えさに混ぜて投与したことろ、薬物非投与群では眼底出血の原因となる網膜の微小血管が正常ラットの3倍に増加したのに対し、benfotiamine投与群は血糖が非常に高いままなのに、正常ラットと同程度まで抑えることができました。


 この研究からBenfotiamineは、臨床的にも糖尿病性合併症の進行を強力に抑える可能性があると考えられました。                       


Nature Medicine 9:294-99,2003(March)


 日本で失明原因の第一位が糖尿病網膜症であり、その数はなんと年間約四千人に及んでいる。糖尿病患者にとって合併症の発症回避はまさに死活問題です。


 この研究グループは、ベンフォチアミンが糖尿病性網膜症の発症抑制に強力な働きを示していると結論付けており、すでにドイツやアメリカでは治験段階に入っています。とはいえこれが日本で導入され、健康保険が適用されるにはまだまだ長い時間と多大な研究費用が必要で、すでに血糖が高く合併症の不安にさらされている人たちはそれを待っている余裕はありません。

 そこでこのビタミンB1による治療をスタートさせたのが、東京・銀座にあるAGE内科クリニックの牧田善二院長だ。牧田院長によると、ベンフォチアミンはビタミンB1といっても市販のサプリメントとは種類が異なり、市販のものを飲んでも効果はないとのこと。またベンフォチアミンには消化器系に関係する副作用があるため、専門医の処方に従わないと危険が伴うという。


「抗老化」にも注目


 そもそもAGEには網膜症以外にもアルツハイマーや老化などの関連が指摘されており、ベンフォチアミンの効果が認められれば、今話題の「抗老化」の視点からも注目されることになる。


 牧田院長は「現在は糖尿病患者が網膜症に移行しないようにするための予防目的でのアプローチだが、臨床を重ねていく中で、すでに網膜症を発症した患者の治療への有効性の解明もありえる」と予測する。もはや国民病とされる糖尿病だけに、この取り組みの動向に期待がかかるところだ。


解説:


 私たちは体の働きに大切な栄養素としてさまざまなビタミンを毎日食事から摂取する必要があります。以前は欠乏症だけが問題とされていた、このビタミンが、最近は積極的に摂取することによって糖尿病などの病気に非常に非常に効果があることが次々と判ってきています。

 まさにビタミンは守りのから攻めの時代に入ったといえます。しかも、我々を取り巻く環境がどんどん悪くなるに従って、必要とされる量さえなかなか取れなくなって来ています。


 ただ、この発表で注意しなければならないのはここでのビタミンB1は現在一般的に市販されているものとは少し違った種類のものであるという点です。しかも、この薬剤の飲む量(少なくては効果がなく、飲みすぎも危険です)も大切なので服用したい方は必ず相談してください。


 そもそもAGEには網膜症以外にも糖尿病腎症、神経障害、動脈硬化症、アルツハイマー、老化などの関連が指摘されており、ベンフォチアミンはこれらの病気にも効果が期待できるでしょう。


このビタミン剤は比較的安全で、しかも手軽に行える治療なので、ドイツやアメリカでは医薬品(医師がきちんと処方して使う薬)として使用するため服用量などをきっちり決める治験(テスト)がすでに始まっています。

 血糖を下げることばかりに私たち医師もとらわれがちですが、こういう合併症を抑える治療法こそが最も重要だと言えます。

投稿者 ageclinic : 15:03