AGE 内科クリニック
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2003年03月18日

糖尿病患者を救う!?

超一流の医学雑誌にビタミンB1の素晴らしい効果が発表されました 


糖尿病患者を救う!?

ベンフォチアミン(ビタミオンB1の一種)

 糖尿病は増加し続け生活習慣病を代表する病気といえる。しかも治療を誤ると厄介な合併症に悩まされることになる。

 この糖尿病の合併症治療にビタミンが効果があるという研究発表が海外で報じられ、日本でもその理論に基づいた治療を進める医療機関が登場し始めている。

発表の内容


糖尿病になると、さまざまな合併症が起きることが悩みの種です。しかしこの悩みはビタミンを飲むことで解消されるかもしれません。


糖尿病合併症はAGE(エー・ジー・イーと読み、終末糖化産物と訳されています)が原因と考えられています。。血糖がコラーゲンなどのタンパク質に付着して変化した物質で、これが体の中に溜まってくると合併症が起きてきます。実はビタミンB1にはこの不要物質AGEを出来なくするすばらしい作用があること分かり、超一流の科学誌(ネイチャー誌、医学版)に発表され大きな注目を集めています。ビタミンB1を飲めば血糖値が高くても合併症を抑えてくれるなんて夢のような話ですね? 糖尿病で、血糖が下がらなくて合併症をいつも心配している方にはもちろん、予備軍の方たちにも素晴らしい朗報です。


網膜症の発症を抑える


ドイツの大学研究グループが解明


 ドイツ・ハイデンベルグ大学の研究者達は、ビタミンB1の一種であるbenfotiamineベンフォチアミン)に糖尿病性網膜症(眼の合併症です)に対する優れた予防効果があることを見出し,3月号のNature Medicineに発表しました。


Benfotiamineを、実際に糖尿病ラットに投与すると、高血糖により合併症を起こすAGE(終末糖化産物)などがほとんど出来なくなり、その結果、目の合併症が予防されることが分かりました。


 糖尿病では血管や組織の高血糖が続き、このため血糖(ブドウ糖)がコラーゲンなどの蛋白質に結合してAGE(エー・ジー・イー)が形成されますが、脂溶性ビタミンB1の一種、benfotiamineがこの形成を見事に抑制し、高血糖によって起こる害毒を取り除いたのです。


 この研究では、薬によって糖尿病にしたねずみ(糖尿病の検査で有名なヘモグロビンA1cはなんと16%でした。血糖値だと500mg/dlくらいに相当する高い値です)に、このbenfotiamineを36ヶ月間えさに混ぜて投与したことろ、薬物非投与群では眼底出血の原因となる網膜の微小血管が正常ラットの3倍に増加したのに対し、benfotiamine投与群は血糖が非常に高いままなのに、正常ラットと同程度まで抑えることができました。


 この研究からBenfotiamineは、臨床的にも糖尿病性合併症の進行を強力に抑える可能性があると考えられました。                       


Nature Medicine 9:294-99,2003(March)


 日本で失明原因の第一位が糖尿病網膜症であり、その数はなんと年間約四千人に及んでいる。糖尿病患者にとって合併症の発症回避はまさに死活問題です。


 この研究グループは、ベンフォチアミンが糖尿病性網膜症の発症抑制に強力な働きを示していると結論付けており、すでにドイツやアメリカでは治験段階に入っています。とはいえこれが日本で導入され、健康保険が適用されるにはまだまだ長い時間と多大な研究費用が必要で、すでに血糖が高く合併症の不安にさらされている人たちはそれを待っている余裕はありません。

 そこでこのビタミンB1による治療をスタートさせたのが、東京・銀座にあるAGE内科クリニックの牧田善二院長だ。牧田院長によると、ベンフォチアミンはビタミンB1といっても市販のサプリメントとは種類が異なり、市販のものを飲んでも効果はないとのこと。またベンフォチアミンには消化器系に関係する副作用があるため、専門医の処方に従わないと危険が伴うという。


「抗老化」にも注目


 そもそもAGEには網膜症以外にもアルツハイマーや老化などの関連が指摘されており、ベンフォチアミンの効果が認められれば、今話題の「抗老化」の視点からも注目されることになる。


 牧田院長は「現在は糖尿病患者が網膜症に移行しないようにするための予防目的でのアプローチだが、臨床を重ねていく中で、すでに網膜症を発症した患者の治療への有効性の解明もありえる」と予測する。もはや国民病とされる糖尿病だけに、この取り組みの動向に期待がかかるところだ。


解説:


 私たちは体の働きに大切な栄養素としてさまざまなビタミンを毎日食事から摂取する必要があります。以前は欠乏症だけが問題とされていた、このビタミンが、最近は積極的に摂取することによって糖尿病などの病気に非常に非常に効果があることが次々と判ってきています。

 まさにビタミンは守りのから攻めの時代に入ったといえます。しかも、我々を取り巻く環境がどんどん悪くなるに従って、必要とされる量さえなかなか取れなくなって来ています。


 ただ、この発表で注意しなければならないのはここでのビタミンB1は現在一般的に市販されているものとは少し違った種類のものであるという点です。しかも、この薬剤の飲む量(少なくては効果がなく、飲みすぎも危険です)も大切なので服用したい方は必ず相談してください。


 そもそもAGEには網膜症以外にも糖尿病腎症、神経障害、動脈硬化症、アルツハイマー、老化などの関連が指摘されており、ベンフォチアミンはこれらの病気にも効果が期待できるでしょう。


このビタミン剤は比較的安全で、しかも手軽に行える治療なので、ドイツやアメリカでは医薬品(医師がきちんと処方して使う薬)として使用するため服用量などをきっちり決める治験(テスト)がすでに始まっています。

 血糖を下げることばかりに私たち医師もとらわれがちですが、こういう合併症を抑える治療法こそが最も重要だと言えます。

投稿者 ageclinic : 2003年03月18日 15:03