AGE 内科クリニック
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2005年01月21日

第8話 敵を知り己を知れば・・・

医者で受診する度に、静脈からの採血を繰り返される。
刺される患者に痛みが伴うのは当然だが、看護師の側も又、神経を遣うらしい。

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血管が探り出しやすい患者もいれば、見付けにくい者もいる。
彼女らにとっては患者以上に真剣勝負の一瞬であるとも言えよう。

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個人的に言えば、採血されることは苦にならない。むしろ励みだと言っていい。
どんなに精密な自己血糖測定器でも、他の体液の混入はさけられず、誤差がある。
自分の経験で言えば最大で50単位程も少なめに表示されたことがあった。
だからこそ、医師の許での血液検査を重視するのだ。

「敵を知り自れを知れば百戦してあや殆ふからず」とは中国古代の兵法書「孫子」の言葉だが、
敵とは即ち糖尿病、自れとは言う迄もなく自分の病状である。

患者は修行僧ではない。朝一椀の粥を食べ、昼にも同じ。
一汁ニ菜の規則正しい生活なら、又、それが続くと云うのなら、数値は変わるまい。

だが、誘惑の多い俗世に暮らす身だ。付き合いで深酒をすることもあるだろうし、
どうしても天ぷらやステーキが食べたいと思う日もある。
病気にはよくないにせよ、我慢を無闇に自分に課すばかりでは、節制は長続きはしない。

ならば、清濁併せ呑むつもりで、成るべく自然な生活をし、
その結果を冷静に受け止める方が利口ではないか。
先週、暴飲暴食が多かったな、と思えば数値は正直に反応する。
翌週の生活の自戒の種にすればいい。それだけの事ではないか。

自分の経験で言えば、焼肉を連日の様に食べた後よりも、簡単に握り飯だけで済ませたり、
そばだけで済ませた方が結果は思わしくない気がする。

と云うのは、副菜があれば、どうしても食欲は多様な方向に向く。
一見ヘルシーなように見える、そばや握り飯は、これ即ち炭水化物の権化だ。
ヘルシーな気分だが、量を食べないことには心理的に満足はできない。
量を食べれば体内でブドウ糖に変わり、血糖値は上昇する。
食べる物もカロリー表示やヘルシーなイメージに惑わされてはいけないのだ。

しばらく自己測定をしていれば、同じ酒を飲んだとしても、ビールが上がりやすいのか、
本当に日本酒が病気に悪いのか、など体質に合ったものが見えてくるだろう。
この見極めが、糖尿病という病との長い「付き合い」をしていく上では、欠かせないと思う。

投稿者 ageclinic : 13:51

2005年01月18日

牧田先生との出会い

青木義人(保険会社勤務・64歳)

 私は学生時代に体を壊し病院とは縁が切れない生活になりました。就職してからも健康には自信がもてない日が続きました。大学病院から開業医まで多数の病院にも行きました。

 私が得た結論は、どんなに医療技術が進歩しても、結局は自分の健康は自分で守るものだ、という当たり前のことでした。医師は患者の努力を支援してくれますが、決して患者自身になり代わることは出来ません。そう考えると、おのずと生活習慣にも注意して過ごすことになります。顧みれば、社会に出てから40年間一度も入院したこともなく今日を迎えることができました。一病息災とは良く言ったものです。

 実は、今も糖尿病や不整脈、それに血液検査をすれば異常値が多数あります。決して油断は出来ない身であることを自覚しています。高齢期を迎えたこれからが、健康管理の本番だと覚悟しています。そんなときに銀座で開業して間もない牧田先生に巡り会いました。初めて先生の診察を受けたときに、患者の訴えを真摯に聞き、治療には最善を尽くすというオーラのような雰囲気を感じ取りました。波長があったのです。

 最近まで医学部の教授をしておられ、現在もアメリカ糖尿病学会会員でもある医師に巡り合えたことは、本当に幸運なことでした。西洋医学で治療しながら、代替医療やホリスティックな医療についても深い洞察力を持たれ、内外の学会の研究論文を追跡される開業医はめったにいないと思います。

 私は治療効果には、かなりの個人差があると思っています。今後は自分流健康法を編み出したいと考えています。牧田先生の指導助言を受け、データを追跡していただけることは心強いことであり喜びでもあります。これからも銀座の名医として、悩める患者に希望の灯をともし続けてくださることを期待しています。

投稿者 ageclinic : 23:43

忘れえぬ患者さん −今も忘れられない言葉−

 その患者Aさんは私が医師になって始めて看取った方で、52歳とは思えない若さに満ち溢れた女性でした。いろいろなシーンが今でもまざまざと思い出されるのですが、特に医師に対する大きな期待というものを骨身に沁みるほど教えてくれた方でもありました。

 昭和54年3月に北海道大学を卒業して、短い研修を終えたころはすでに冷たい秋風が吹きすさぶ季節になっていました、札幌郊外の病院に出張が決まったときは新天地での生活に心の高揚感を抑えられませんでした。しかも若い医師にとっては地方病院でこそが、一人前の医者としての腕を磨く最大の機会でも有ます。しかも、そのときは生涯忘れられない貴重な体験をするとは夢にも思いませんでした。

 赴任翌朝、さっそく前任医師からの引継ぎを受けます。胃潰瘍や肝炎などのありふれた病気の方々の説明を手短に済ますと、一呼吸置き、「最後に1人多発性骨髄腫と思われる患者さんがいるのだ」と厳粛な声で言われました。「この血液のデータと尿の蛋白のパターンから言って、まず間違いない」とキッパリ言った後、ベッドサイドに足を運び紹介してくれました。

 まさにその日から、Aさんのことが私の心を大きく占めることになりました。次第に回診が難しくなりました。堪らなく気が重く、出来ればその病室は避けて通りたいほどなのですがそうは行きません。骨髄腫は悪性の血液の癌で、根本的に治す治療法がないため、どうしても日々悪化してしまいます。しかも、全身の骨が犯され体中に耐えがたい痛みが起きます。当時は、癌であること決して告げることはしません。家族からも癌と悟られないよう最大限の努力を頼まれています。本当の病気がいえないためどうしても「では検査してみましょう」とか「このお薬ならきっと楽になりますよ」などとその場しのぎの言い訳を食い返すことになってしまいす。穏やかだったAさんも次第に不満顔になってゆきます。そしてとうとうある日、その恨みは爆発し「先生にかかっていたら悪くなる一方です。とにかくこの痛み、早く何とかしてください」胸の辺りをさすってびっくりするような大声で怒鳴りだしました。そのときはベテランの先生に来てもらい、何とか取り繕ってもらいました。実はがんが進行して骨折までおこしているための痛みです。「痛みは簡単にはよくならない。ああ明日はどうあの患者さまに言い訳をしたらいいのだろう」とすっかり困り果てていました。しかし、次の日、重い気持ちで回診に行くと、どういうわけか昨日とは打って変わって穏やかな様子です。なにが起こったのかと驚くほどにわたしの下手なうそに黙って肯くのです。そして最後に、ゆっくりと諭すような口調で「牧田先生いつも有難う。これからも一生懸命勉強していいお医者さんになってくださいね」と言ってくれました。わたしはスーッと気が楽になりましたが、後で考えてみるともう自分はもう直ることのない病気であることをはっきりと悟っていたのでしょう。その日を境に、病気は急速に進行し数日後からは意識朦朧の状態になってしまいました。1週間ほど過ぎたある夕方,Aさんは苦しむこともなく潮が引くように呼吸が停止しました。心臓マッサージをしている間はわたしばかりでなく、詰所の看護婦さんたち全員が大粒の涙を浮かべていました。自宅に帰ってから「一生懸命勉強して」という言葉が蘇ってきました。その響きは決して未熟なわたしに対する恨みではなく、私への感謝と強い願いだったそのとき確信しました。

 時が過ぎ、仕事に慣れて当たり前の繰り返しになるたびにAさんの声が聞こえてきました。あれから早くも23年の月日が流れました。私もベテランの医師になり、専門医療には誰にも負けないという自信持つことが出来ました。あの励ましの言葉はこれからも私の人生を照らしてくれることでしょう。

投稿者 ageclinic : 22:59

「夏場の健康管理、3つのアドバイス」

暑い毎日が続くとどうしても体が弱ります。この時期の健康管理はお年寄りの方ばかりでなく若い方にとっても難しい問題と思います。最近注目されている夏に起こり易い病気とその対策をお教えします。ポイントは塩分補給を忘れないこと、清涼飲料水の取りすぎに注意することです。

 最近天気予報などで「今日はかなりの高温が予想されるので熱中症に気をつけてください」という言葉を耳にします。聞きなれない病気と感じる方も多いとおもいますが、熱けいれん、日射病、熱射病など高温によって起きる病気すべてをふくめて熱中症と呼んでいます。したがって、症状もめまい、吐き気などの軽いものから意識不明状態までさまざまです。夏に最も注意しなければならない病気で、できるだけ軽いうちに予防しましょう。

 ここで覚えて欲しいことはひどい汗をかいたときは水分補給だけでなく、塩分補給が必要ということです。生きてゆくためには塩がとても大事なのですが、汗をかくと水分とともに塩分も出て行ってしまいます。水だけ飲んで塩補給をおこたると筋肉内に疲労物質がたまり痙攣や腹痛、嘔吐が起きてくることが知られています。熱けいれんと呼ばれており熱中症の中でももっとも軽症の状態です。たとえばスポーツドリンクですがこれには意外と食塩含有量が少なく効果は期待できません。やはり一番の治療は塩水を飲むことです。わたしの工夫はスイカに塩を振って食べることです。これだと美味しく、また水分、塩分、ミネラルのバランスがとれた予防ができます。

 夏場の第二の注意は、清涼飲料水の飲みすぎに気をつけることです。飲みすぎは恐ろしい病気の原因になることが知られています。「清涼飲料水ケトーシス」とか「ペットボトル症候群」などの名前がつけられていますが、その特徴は10代から30代の若い男性に多いことと、突然に入院してインスリン治療が必要なほどのひどい糖尿病におちいることです。夏の暑いときに冷えたコーラやジュースは堪らなくおいしいものです。しかし、これに含まれる多量の糖分によりさらにのどが渇くという恐ろしい悪循環に陥ります。あっという間に、1リッター以上のジュースを飲んでしまう人、習慣化し絶えず飲んでいないといられないとういう状態になってしまいます。コーラの飲みすぎから突然、糖尿病になり突然意識の状態で入院した15歳の高校生の例を経験し、わたしもその恐ろしさを実感しました。

 最後は、ビタミン類やミネラルをたっぷり取ることです。とくに免疫能を高めるビタミンCやエネルギー代謝に関与するビタミンB群の摂取は重要です。ジャガイモやにんじんなどの根菜はカロリーが多いのでむしろ葉っぱものの野菜や果物を毎日たっぷり取りましょう。もし十分に取れないならビタミン剤を飲まれたらよいでしょう。

 この時期お孫さんやお子さんはコーラやジュースなどを欲しがるものだと思いますが、次代を担う者の健康のためにダメと言う勇気を持ってください。

投稿者 ageclinic : 22:58

タバコは止めましょう −止めたいと思っている方へ−

 お恥ずかしい話ですが、私は1年半前までタバコを吸っていました。普段は毎日20本、お酒を飲んだときなどは、夜だけであっという間に2箱近く行き二日酔いよりタバコの吸いすぎで翌朝は最悪の寝覚めでしたが、それでも止めることは出来ませんでした。つまり医者の不養生を地で行く生活を送っていたのです。

 ところが、5年ほど前から宴会が続くと必ず目が真っ赤に内出血するようになりました。長年のタバコの害で血管が脆くなって来たため、お酒による血管拡張作用で簡単に出血してしまうのです。同じことが脳の血管に起きると脳卒中ですから、そうなると仕事すら出来なくなると思い本気で止めたいと願うようになりました。しかし「タバコを止めるのは簡単さ。なんたって俺はもう30回も止めたことがあるからね」なんていうジョークがあるほど、禁煙は継続が難しいものです。こんな私は止められたのは決して人より意志の力が強かったわけではなく、ちょっとした工夫と意地があったからです。

 私が止めるきっかけになったのはアメリカ出張でした。いい機会だとタバコを持たないで14時間のフライトに臨みました。ホテルでは思い切って禁煙ルームを頼みました。この国でドクターは決してタバコは吸わないのですからホテルマンも当然と言った顔つきです。2日目からは食べた後など無性に吸いたくなりましたが、ガムを咬んだりして頑張りました。吸えない環境をつくり、つらい状態に自らを追い込んで禁煙に成功したのです。ヘビースモーカーだった私の体験から10か条をお話しましょう。

(私の禁煙十カ条)
1. タバコ、マッチをきっぱりと捨てて、気に入っていたライターはすべて友人や後輩に譲りましょう。タバコ好きはその味よりむしろ火をつける動作自体が習慣化しているからです。

2. 「禁煙」などと書きテレビの横など目に付くところ貼りましょう。とにかく気合が大事です。

3. 禁煙は友人、知人と一緒に固い決意を誓い合って始めましょう。お互いに競争心が湧いて効果的です。

4. 薬局に行ってニコチンパッチとニコチンガムを両方手に入れましょう。吸いたくなる気持ちを抑えてくれます。意志の強さだけでは成功しませんから。暇になって吸いたくなったらすぐニコチンガムをポンと口に入れてください。時々休みながら15分くらい時間をかけて咬むのがこつですよ。

5. 宴会の日は最大の危機。ニコチンパッチを貼って出かけましょう。こちらは長時間、吸いたくなる気持ちを抑えてくれます。完璧を期すために、ポケットにはガムも忘れずに入れて出かけましょう

6. 周りの人が吸っても「貰いタバコ」は絶対しない。お一ついかがですなどといいそうなヘビースモーカーの横には決して座らないことですね。

7. 酒を飲むときは、つまみを工夫しましょう。一服吸う代わりにつまみを一口です。やはりダイエットも同時に考えたいものですね。冷奴や枝豆、煮豆、もずく酢、がめ煮などがいいでしょう。するめなんかをゆっくり咬むのも悪くありません。

8. 仮に1本吸ってしまったからといって、いままでの努力を捨ててしまうことはありませんよ。完璧主義を辞めれば、最後は必ず私と同じように完全に止めることができますよ。

9. 夕食後はとにかく吸いたくなりますね。お土地柄、食べたら早速、風情のある温泉に行ったり、ちょっと大事な庭の手入れをしたりしましょう。タバコを吸うことなんかよりもっともっとあなたの人生に有意義なことが沢山あるはずですから。

10. 最後に、奥さんや子供たちのいうことにも耳を貸しましょう。みんなあなたの吸った煙で非常に迷惑していることをお忘れなく。止めればみんながハッピーになれますよ。

投稿者 ageclinic : 22:57

「恐ろしい健康食品や民間療法の落とし穴」

 中国製ダイエット食品問題で、死者四人を含め健康被害は百二十四人に上ると大きく新聞報道されているのはご存知と思います。わたしは糖尿病の専門医ですが、これは新しい事件だと感じました。よく目にする薬の副作用の問題ではなく健康食品の被害であるという点です。誰でも医薬品には副作用がありうると知っていますし、その服用には慎重でしょう。しかし健康食品や民間療法に慎重な方は意外と少ない。アガリスク、クロレラ、ギムネマ、減肥茶などいまは数え切れないほどの種類がありますが、たとえば、今回問題になっているダイエット食品の一つ減肥茶はウーロン茶やプーアール茶、グァバ茶など十種類以上の素材を混合してあります。これが中国製だと中にどんなものが含まれていがほとんどわからないのが実情です。

 日本人は「中国四千年の歴史」という言葉にとても弱い。しかし専門医から言わせると今の中国は決して医学の先進国ではありません。今回の被害はどうも製品に入れられていたニトロソ化合物による肝臓障害のようですが日本ではとうてい考えられないことです。さらに中国製ハチミツに抗生物質が大量に混入していたという報道を聞いてわたしはこれから一切、中国製食品は口にしないと決意しました。

 「効かないかもしれないが、まさか害はないだろう。試してみよう」こんな軽い気持ちが健康食品や民間療法を始めるきっかけでしょう。しかし「まさか害はないだろう」という考えに大きな落とし穴があります。

 今回の事件のように副作用で多いのが肝障害です。食品にしても薬にしても、すべて口から入ったものは腸から吸収され、まず肝臓を通過します。ここには解毒作用があり毒性のある食品などから保護されています。しかし、肝臓は絶えず食品中の有毒物質に曝され続けているわけです。強い毒物はもとより、毒性が弱いものでも毎日摂取し続ければ肝臓に取り返しのつかない障害を与えます。しかも、この障害には症状がなく気が付かないのが普通です。唯一の検出方法は肝機能血液検査です。

 わたしはすべての患者さんに定期的にかならず肝臓機能検査を行っていますが、その理由は、薬や患者さんが行っている民間療法の基本的副作用をチェックするためです。あなたも、もしいま健康食品や民間療法治療を試しているのなら是非、担当の医師に相談し、最低、肝機能検査だけは行ってください。あなたも思わぬ落とし穴にはまっているかもしれませんよ。

投稿者 ageclinic : 22:57

「あなたの健康にビタミン剤を上手に活用しましょう」

 いまアメリカでは空前の栄養補給ブームです。すでにビタミン剤専門の薬局があるのには驚きました。また本屋ではビタミンやハーブに関する本がずらっと並んで圧倒されるほどです。これは彼らの多くがビタミン不足になったからではありません。上手に摂取し病気の予防や治療に役立てようとしているのです。医療費が高額な国なので、未然に予防しようとか、生活習慣病などによるからだの機能異常を自らの努力で正そうとする涙ぐましい努力がそこには感じられます。

 歯茎から簡単に出血するようになる病気、壊血病がビタミンCの欠乏によると分かったのは1920年代になってからです。ビタミンAのとり目(夜盲症)やビタミンB1の脚気などは皆さんもご存知でしょう。しかし、ビタミンが重要なのは何もそれが不足した時だけとは限りません。

 世界中に一大センセーションを起こした発表がノーベル賞を2度受賞した天才科学者、ポーリング博士によってなされました。風邪はビタミンCを大量に飲むことで予防出来ると発表したのです。この影響で日本でも、冬場にみかんをたくさん食べて風邪を引かないようにしようなどと言われたのを覚えている方もいると思います。その後、確かに体の抵抗力をたかめることが証明され、今でも風邪で高熱を起こした患者さんの治療のため点滴中にこれを加えます。

 しかし、いま飲まれている最大の理由は、風邪予防などではなく美容のためです。このビタミンは皮膚を構成している最も重要なコラーゲンを作り出すのに必須の役割を果たしています。つまり、皮膚の弾力性維持やその再生に関与しており、しわやしみ予防に効くわけです。このほかにはがん、慢性の疲労、ぜんそくなどのアレルギーにも優れた効果が知られており、専門家が「もし、無人島でたった一つのビタミンしか取れないとしたらわたしはビタミンCを選ぶ」とさえいわれるほどです。1日に必要な量は1000mgです。

 次に推薦したいのはビタミンB6です。これには動脈硬化の原因を根本的に取り除く強力な力があります。とくに糖尿病で治療中の方には是非服用をお勧めします。最近、恐ろしい腎臓の合併症を予防することが分かったからです。腎臓合併症は進行すると血液透析が必要になりますが、ビタミンB6がこれを救ってくれる可能性があるわけです。

 他には手のしびれをとる作用も知られています。ある女性の患者さんは長年悩んでいた手のしびれがB6服用後ピタッと止まったと本当に喜んでいました。このビタミンの注意点は2つ。第1に、1日60から100mgの服用量が必要なので、購入の際は1錠中に十分な含有量が入っているか確かめること。第2点は服用時間で、かならず朝食後に飲んでください。夜に飲むと眠りが浅くなってします危険性があるからです。

 これらのビタミンによる治療の最大の利点は、薬などと違って大量に摂取してもほとんど副作用の心配がない点です。皆様も、得体の知れない民間療法などではなく、手軽で安全性の高いビタミンをもっと健康増進に役立ててください。

投稿者 ageclinic : 22:56

「転んじゃ駄目よ」  −100歳の現役銀座ママが教える“健康長寿法”

 「寿命で日本は世界一を維持」と先日の新聞にありました。世界一は大変結構なことですが、平均寿命が81.4歳なのに対し、これから障害や寝たきりの期間を引いた「健康寿命」では73.6歳に大きく下がってしまうそうです。つまりその差の約8年は家族を煩わせて生きるということになるのかと思うとちょっと気が重くなります。大切なのはただ長生きするのではなく健康寿命を延ばすことです。では百まで生き、わずか3日の入院で死ぬにはどうしたらよいのでしょうか。些細なことですが私は骨折を防ぐことがとても大切だと思います。若いあなたなら笑ってしまうかもしれませんが本当に恐ろしいことなのですよ。

 100歳で現役の銀座のママを続けている有馬秀子さんというかたがいらっしゃいます。一人暮らしで身の回りのことはすべて自分で行い、しかも銀座のクラブで毎晩12時過ぎまで働いているなんて信じられますか。

 この方が書いた「今宵も、ひたすら一生けんめい」という本の中で、私が特に印象に残ったのは、「転んじゃ駄目よ、転んじゃ駄目よ」といつも一歩を踏み出すごとに自分に言い聞かせているというくだりです。彼女が一番気をつけているのが骨折なのです。医者としてこの考えはとても素晴らしいといえます。ほんのわずかなつまずきから恐ろしいことが起きるからです。

 まず年をとるとほんのちょっとのことで太ももなどの太くて丈夫なはずの骨が折れてしまいます。また反射神経が低下しているので転んで直接顔面を打つこともままあります。軽いときでも真っ黒な大きいあざが顔中に出来てしまいますし、顔の骨は弱いので運がわれければ広範囲の顔面骨折となります。大きな骨折はどうしても入院が必要ですが、恐ろしいのはこの入院のケースです。今までどんなに元気だったお年寄りでも、いったん入院するとたちどころに筋力が低下し、すぐに歩けなくなるものです。

 20歳代の若い人でさえ1ヶ月骨折で入院すると、筋力低下を取り戻すのに3ヶ月が必要です。なぜなら筋肉は毎日使っていなければすぐに萎縮してしまうからです。また運動低下は脳の活動低下につながります。運動がゼロになると脳への血の循環が悪くなり機能低下が始まりまるからです。つまり恐ろしいボケが始まるのです。加えて看護士さんや付き添いの方の手厚い介護を受けることになり、いままで身の回りのことを自分で行い緊張感を持って生きてきた生活がすっかり変わってします。つまり頭を使う必要がなくなるのです。

 よく病院に入ったとたん、きれいにお化粧をして身だしなみにも気をつけていた人が、別人のようにだらしなくなってしまうのを経験します。男性の方なら、すっかりひげが伸びてしまい髪には櫛目もなくなってしまう人が多いのです。普段の社会生活から突然離れてしまうことがボケを大きく加速するのです。こうなると、どうしても入院が長引き、悪循環を繰り返し最後は全くの痴呆状態になってしまった悲惨な例をたくさん見てきました。しかもきっかけはちょっとした不注意による転倒なのです。

 残念ながら私たちは、自分で死ぬ歳を決めることはできません。しかも今は毎年1000人以上の方が100歳を迎える時代ですから運がいいか悪いかは別にして長い生きすることも考えていかなければなりません。長生きするなら、一時期もてはやされた金さん銀さんではなく有馬さんのように行きたいものです。

 生涯現役で生きるのなら「転んじゃだめ」ですね。

投稿者 ageclinic : 22:55

カルシウム摂取のポイントはビタミンDとK —糖尿病に多い骨粗しょう症−

 腰の大きく曲がったおばあさんが最近は少なくなったと思いませんか。予防や治療が進んできたからです。若さを保つことは誰しもが願うことですが、とくに年寄り臭く見られるのはやはり外見。今日は、腰曲がりの原因となる骨粗しょう症予防についてお話しましょう。

 骨の老化はすでに45歳から始まっています。とくに骨粗しょう症は女性に多いのですが、生理が終わったあとの女性ホルモンの低下が原因です。また糖尿病の患者さんにはこの病気が多いことが知られており、とくに注意が必要です。この病気かかると、背骨が骨折し背中や腰が前に大きく曲がってしまいます。さらに足や手も簡単に折れるようになり、1人で何でも出来た方が、その後介護が必要な状態になったり、ひどい場合は寝たきり状態になる方おります。

 是非予防したいものですが、まずその第1歩は自分の骨の状態を把握することです。とにかく45歳を過ぎたら必ず自分の骨の検査をしてください。いまでは、骨が薄くなってきているかどうかすぐに、なんの苦痛もなく検査することが出来ます。保険が効くので検査料も1000円以下です。

 日常行う予防で大切なのは食事、運動、日光浴の3つですが、なんと言っても食事からのカルシウム補給が重要です。このことは皆さんすでにご存知で小魚や牛乳を取るよう気をつけている方も多いと思います。人間の体にはなんと1kgものカルシウムがあり、これを絶えず食事などで補う必要があります。毎日、しかも朝、昼、夜欠かさず補給が必要なのです。例えば、毎朝、牛乳を飲んでいると安心している方がありますが、意外と寝ている間にカルシウム欠乏が起こります。そのためわたしは、夕食後にも牛乳を飲むように勧めています。

 ここで注意が必要なのは同時にビタミンDを取る必要があるということです。実はいくら沢山カルシウムを取ってもこのビタミンがないとからだに取り込めないのですべて無駄になってしまいます。しいたけ、卵やサバ、イワシ、カツオなどの魚に多く含まれているので、骨を強くしたい方は多めに摂ってください。また、このビタミンは日光浴による紫外線により皮膚で作られます。このため日光浴が大切といわれているのです。しかし、最近は紫外線の害が叫ばれているので、わたしはむしろ紫外線は避けて、病院で処方してもらうかビタミンD剤を買って補給するほうを勧めています。

 もうひとつ、意外と知られていないのがビタミンKの重要性です。これにはカルシウムを骨にくっつける大切な働きを持っており、納豆に多く含まれています。このために「納豆は骨に効く」とよくいわれています。これがが嫌いな方は、ほうれん草などの青菜から摂ってください。

 いくら長生きしても、寝たきりでは詰まりません。腰や背筋のしゃきっとした若々しい姿で老後を迎えたいものです。ボケてしまった頭も一度曲がってしまった腰ももう元にはもどりません。予防しかないわけですが、それにはやはり毎日毎日の健康管理の積み重ねです。

投稿者 ageclinic : 22:54

鍋を変えましょう ボケ防止の工夫

「あれ、この人名前なんて言ったっけ」。テレビを見ていて有名な歌手の名前がなかなか出てこない。最近とみに記憶力の減退を感じわたしもアルツハイマー病かなとふと不安にかられます。この病気こそが老人性痴呆を起こすのです。だいぶ前になりますが有吉佐和子さんのベストセラーから「恍惚の人」という言葉がはやりました。まさにこの恍惚に至る病なのです。恐ろしいのは、その介護のため多くの人が大変な苦労を強いられることです。原因が分かっていないのでもちろん治療法もない。しかも、高齢者ばかりでなく45歳くらいからこの病気に罹ってしまう人も見られます。

よく研究者は自分の研究している病気に罹って死ぬといわれます。そうすると、糖尿病以外にアルツハイマー病の研究も行っているわたしはかなり危ない。しかも、この患者さんの悲惨さを知れば知るほど糖尿のほうがまだましで、何とかもうひとつの方は避けたいと願ってしまいます。

そこで、その対策の第一歩として5年ほど前、家にあったアルミ鍋をすべて処分しました。理由は、当時アルミニウムがアルツハイマーの原因になると報告されたからです。しかも医学情報に敏感なドイツ人は早速ステンレス製などに変えたと聞いてもう私は躊躇しませんでした。今思うと、この決断は正しかったようです。アルミ原因説に関し、その後精力的に研究は進んできていますが、結論から言うと、まだ確定的なことはわかっていません。しかし、500以上ある研究を総合すると、原因としては灰色から黒というところでしょう。どうも、調理に伴い微量のアルミが鍋から溶け出してしまい、食品に混ざって体に取り込まれ、ゆっくりと脳に溜まって行くようです。特に記憶や認識をになっている部分に多くたまり、その働きを犯してゆきます。変化は非常に遅く、そのため症状の進行がわからないところが恐ろしいのです。

アルミに限らず一般的に金属を取り続けると恐ろしい病気の原因になります。
たとえば鉛。昔のおしろいにはこれが含まれており、皮膚から少しずつ吸収されます。江戸時代には、これを多量につけていたおいらんや芸者さんが若くしてなくなりました。また別の例としてラジウム中毒の方をわたしは経験しています。この方は雑誌で糖尿病によいというのを見て毎日せっせとラジウムを飲みました。学識のあるかたで、週刊誌などで随分もてはやされたこの治療法を長期間実践したのです。結果は全くの逆効果。大学病院で検査したところ、腎臓にラジウムが多量に溜まっていたのです。もう手遅れの状態で腎の働きは完全になくなっており透析治療となってしまいました。

しかし金属障害でもっとも有名なのは、大きな社会問題となった水俣病の水銀中毒でしょう。この病気については皆さんもよくご存知でしょう。これら金属による害に共通していることは、すぐに症状が現れないため、長年にわたって取り続けてしまったという点です。金属は怖いとう教訓を与えてくれました。

長生きできるようになったことは素晴らしいことですが、これからは長生きの質が大切です。わたしのところに来てくださる糖尿病患者さんには、ボケが多く起こることが分かっています。そこでわたしは雑談のなかで、こっそりとボケて他人に迷惑をかけないために、鍋を変えることをお勧めしています。

投稿者 ageclinic : 22:53

お酒との付き合い方 −薄めて、じっくり、ちびちびと−

 暑さにビール一辺倒だった私も、このごろは旨い肴と焼酎をじっくり飲みたい気持ちになってきました。秋は美味しいものがそろい、酒飲みにはたまらない季節ですね。そこで今回は、アルコールと病気についてお話しましょう。

 まず、肝障害。一体どのくらい飲むと肝臓を壊すのかははっきりと医学的に分かっています。日本酒だと1日3合、これを5年以上続けて飲まなければ障害は出ません。つまり、かなりの大酒のみでなければ大丈夫ということになりますが、ちょっと例外があります。女性と体質的にお酒の弱い人は、上の数字より少ない量でも肝臓がやられます。つまり「お酒は弱かったが練習してかなり飲めるように成った」などという人は危ないのです。

 昔は、病気の進行に気が付かず、肝硬変になり大量に吐血してから驚いて病院に来る方が多くいました。実は簡単な血液検査で肝臓が悪いかどうかだけでなく、飲みすぎかどうかまでもぴたりと分かりますから、是非定期に調べてください。

 最近は、アルコールに関係する病気として「痛風」がすごい勢いで増えています。中年男性に多く、血液中の尿酸値が上がり、足の親指などに強い痛みが突然おこるという病気です。今では健診を受けた成人男性の実に4人に1人が基準値をオーバーしています。重要な原因のひとつが、ビールの飲みすぎです。痛風を起こす物質が特別多く含まれているからです。風呂上りにクィーと飲み干すビールの味は格別ですが痛風の発作は耐えがたく痛いものです。ご用心ご用心。

 さらにアルコールはダイエットの敵でもあります。たとえばダイエットが必要な糖尿病患者さんは、出来れば禁酒、無理なら量は160(キロ)カロリーまでです。この量はビールなら缶1本(350cc)、焼酎なら1/2合、ワインなら200cc、ウイスキーなら60ccに当たります。たとえば、油断してビールを宴会で5缶飲んだとします。これは800カロリーに当たり、ご飯だったら実に5杯分にあたります。しかも、以外に思われるかもしれませんが、アルコールは体内で脂肪(主に中性脂肪)に変わります。脂を増やすなんて、やはりダイエットの敵ですね。

 いろいろ飲酒の悪い面ばかりを述べてきましたが、もちろん、良いことも沢山あります。とくに最近の研究では、アルコールには皮膚や血管の老化を抑える働きを有することが分かってきています。皮膚などを形作るコラーゲンへの老化物質沈着を防ぎ、若々しい肌を維持する効果があるのです。また糖尿病の患者さんにおこる目や腎臓の合併症は、ブドウ糖がそこに貯まってくるから起きるのですが、アルコールはこれを防いでくれます。恐ろしい合併症を予防する効果があるなら糖尿病の方の飲酒も、まんざら悪いことばかりとは言えません。ただ、糖尿病の薬の中には、飲酒で副作用が強くでることがあるので担当医とよく相談してください。

 要は、度を越さない自制心ですね。たとえば休肝日を取れなくなり、必ず量が増えてくるので寝酒の習慣は良くありません。また宴会では、思い切って「ダイエット中で飲酒は控えている」とはっきり宣言したほうがスマートです。また夏は仕方がないとしてもビールなどアルコール度数の低いものはピッチも上がり、ゆっくり呑むことは難しいものです。しかも年中ビールだと痛風の危険があるわけです。したがって、焼酎やウイスキーなどを出来るだけ薄めて飲むのがいいでしょう。

 わたしのワンポイントアドバイスは、濃い酒を「薄めて、じっくり、ちびちび」飲むことです。秋の夜長、中秋の名月を肴に、飲める幸せを感謝しでゆったりとした気持ちで酒を楽しんでください。

投稿者 ageclinic : 22:52

あなたは太っていますか  BMI値ってなあに  肥満はがんのもとー

 「わたし絶対痩せたいんです」。ある日の外来、向かいに座った45歳の女性は訴えるような口調で言っています。「148cmで54kgですか。医学的には太っていないんですが」とすこし困惑顔の私。「えー。私太っていないんですか?」。「ええ、肥満には入りませんね、しかも先ほどの体脂肪測定や骨の検査では骨も丈夫、脂肪の付きすぎもなくとても健康体ですよ」。このあとさらに標準体重やBMI(ビー・エム・アイ)のことを詳しく説明しましました。そこで今回は簡単な肥満度判定法についてお話しましょう。

 まず、あなたにとって理想の体重(標準体重)を求めてみましょう。標準体重=身長(m)×身長(m)×22です。たとえば先ほどの方だと1.48×1.48×22=48.2(kg)となります。確かに54kgだと5.8kgほど多いわけですがこれで果たして肥満といえるのでしょうか。この判定は、現在、世界統一のバロメーターとして使われるBMIで分かります。皆さんも、健康診断などの際に一度は耳にしたことがあるでしょう。

 BMI値=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}です。従って、先ほどの女性は、54÷(1.48×1.48)=24.65です。さて肥満の判定基準は18.5〜25が普通体重(太っても痩せてもいない)、25〜30が1度の肥満(軽い肥満)、30〜35が2度の肥満(中くらいの肥満)、35〜40が3度の肥満(ひどい肥満)、40以上が4度の肥満(とくにひどい肥満)となります。したがって24.65なら、ぎりぎりですがセーフということになります。もしあなたのBMI値が25以上なら病院へ行って、糖尿病などの病気が隠れていないか検査を受ける必要があるでしょう。とくにBMI値35以上なら危険信号が出ています。こんな方は、中国茶やダイエット食品などで自己流で痩せようとすることはもはや危険です。明日にでも医師と相談してください。大変い良いことに、35以上の人に使える、食欲を抑え体重を落すいい薬があります。ちょうどBMIが35の31歳男性の患者さんでしたが、この薬と水中歩行運動の併用により3ヶ月で20kg体重を落とすことが出来た方もいます。BMIは28とまだ軽い肥満が残っていましたが、異常値を示していた肝機能値、コレステロール値などはきれいに正常化しました。おなかもすっきり顔つきまで変わったと褒められ大変喜んでいました。

 太ると男性では大腸がん、前立腺がん、女性では子宮ガン、卵巣がん、乳がんなどが起こりやすくなります。肥満はがんのもとでもありますから間違ってももう痩せられないなどとあきらめたりしないでないで下さい。

 一方、BMIが18.5以下の方は低体重と判定されます。体質的なものであれば全く問題がありません。しかし、中にはホルモンの異常のために痩せていることあります。血液検査で判定できるので気になる方は調べてもらいましょう。

 ところで肥満の割合は、15歳以上の男性で4人に1人(25.1%)、女性は5人に1人(20.6%)で、かなり男性優位です。肥満者の年齢では男性が40台にピークがあるのに対し女性は60台です。つまり男性は若い頃から太り始めるようです。しかも困ったことに最近は30台男性の極端な肥満者増加が社会問題になっており若年化が加速しています。外食やストレス増加のためでしょうか。心当たりの男性諸君、BMI低下を目指して今日からダイエット作戦を開始してみませんか。

投稿者 ageclinic : 22:52

コレステロールは女性の敵: オリーブ油とワインがお勧め マヨラーも慎みましょう・・・

 「油の取りすぎには最近とても気を付けています。なのにどうしてコレステロールがこんなに高いのでしょう。夫は焼肉が大好き人間なのに検診では正常値といわれ自慢しているんですよ」とSさんはとても不満顔です。

 女性はたとえ食べるコレステロールが少なくても血液に溜まりやすい体質を持っているからです。成人女性の数少ない弱点としてコレステロールと骨が弱いことが上げられます。日本は世界一の長寿国、しかも男より10年以上も長生きするわけですから、この2点への対策はとても大切ですね。

 コレステロールはご存知のように動脈硬化の元凶です。動脈硬化とは読んで字のごとく血管が硬くなることですが、これが恐ろしい脳卒中や心臓麻痺(心筋梗塞)の原因になります。さらに、「人は血管から老いる」という言葉ありますが、これが老化の最大の原因でもあります。コレステロール正常値は220(mg/dl)以下ですから、これより高いといわれた人は必ずこの数値を下げましょう。難しい理屈はこれくらいにして、最近の研究から分かった対策を教えましょう。

 料理に使う油はとても大切ですが、サラダ油、てんぷら油、ごま油などを減らしてオリーブ油を使うことをお勧めします。その理由は大きく3つあります。第1の理由は、オリーブ油自体にコレステロールを下げる働きがあることです。この作用は、南イタリアやギリシャの国々の人は料理にオリーブ油を多量に使用するにもかかわらず心筋梗塞が非常に少なく、しかもコレステロール値が正常値であることから分かりました。もうひとつの利点は、オリーブ油が変性しにくいことです。古くなった油が体に毒だということは皆さんご存知と思いますが、しかし困ったことに多くの油は、空気に触れただけですぐに傷んで(=酸化)しまいます。ところが、オリーブ油だけは傷みにくいのです。たとえば毎日の料理の際フライパンにたらす油はオリーブ油がいいわけです。最後の理由は、オリーブ油が肌に良い点です。これは、油自体ではなくオリーブに含まれるさまざまな天然植物成分が関係しているようで、食べても肌に直接塗っても効果があるようです。女性にとってはとても嬉しい作用ですね。

 コレステロールに注意する方には、てんぷらや唐揚げなども避けたほうがいい料理ですが、どうしてもというときは新しい油を使うようにしてください。傷んだ油を避けるなら自宅で揚げるのが安心ですね。ついでにもうひとつ注意したいのは、マヨラーと呼ばれる、なんにでもマヨネーズをかける人です。マヨネーズにもいろいろ出ていますが、卵黄が多量に含まれておりコレステロールの高い人は止めたほうがいいでしょう。

 油の注意の次はお酒です。最近は女性もアルコールをたしなむ方が増えていますが、コレステロールが高いと言われている方には赤ワインがお勧めです。これに含まれるアントシアニンといわれる成分が動脈硬化を抑えてくれます。赤ワインに沢山含まれるポリフェノールの一種ですが、どうしてこれが注目されるようになったかには理由があります。フランス料理を考えてみればわかると思いますが、フランス人は、日本人よりはるかに大量のコレステロールを食べています。しかし不思議なことに、かれらには動脈硬化による病気が驚くほど少ないのです。その理由をいろいろ研究した結果、毎日赤ワインを飲んでいるからだと考えられたのです。これが世界的に有名になり、ブームを呼びました。都会の働く女性の間では大人気です。ブームのおかげでワインもだいぶ安くなりました。コレステロールが高いといわれたあなたは、アルコールの種類にもこだわったほうがよさそうですね。

 日本の女性の方々がいつまでも美しく元気でいられるようポリフェノールたっぷりの赤ワインで乾杯しましょう。

投稿者 ageclinic : 22:50

「糖尿病を予防する秘訣」

糖尿病はテレビや新聞で話がでない日はないほど多くの人の関心を集める病気になりました。今は40歳以上の成人の1割に達しています。しかし、辛い食事制限の話などを聞くと「糖尿にだけは罹りたくない」と誰しも感じるでしょう。

 そこで専門家として予防術をお教えしましょう。秘訣は運動量を増やすことです。手始めはエレベーターやエスカレーターを止めて階段にすること。同時に自動車に乗るのも極力減らしましょう。ただ、ここで膝が痛いとか、息切れがするといった症状が出たら、以下の運動はあきらめて医者に相談してください。かなり進んだ関節や心臓の病気の可能性があるからです。

 このような症状が無ければ、次のステップは、本格的運動の開始です。運動には呼吸が速くなる(走る、早歩きする)運動と、筋肉をつける運動の2種類があり、この二つを併用することが理想です。まず、食後に歩くことから始めて下さい。食後1時間半から2時間後が効果的で、20分以上の散歩が必要です。慣れてきたら、スピードを上げ、少し呼吸が速くなるくらいを目安にして下さい。呼吸数が増えることは体に酸素をたくさん取り込むことになり糖尿病の予防や治療に大変役立つのです。従って走らなくてもいいのですが、少し息が速くなるくらいの速さを心がけてください。

 さらに、確実に予防するには、筋肉を鍛える運動が必要です。ダンベルや腹筋運動により糖尿病にないにくい体を作ることができます。以上を総合して、理想の糖尿病予防メニューとしては、まず夕食後20分間早歩きし、体に新鮮な酸素を十分に取り込みます。夫婦一緒だと最高ですね。帰宅後、十五分間少し重いかなと感じるくらいのダンベルで筋肉をつける運動をし、風呂に入って汗を流す、などはどうでしょう。朝起きの方なら早朝行うのも結構です。軽めのダンベルを持って歩くと酸素を取り込む運動と筋肉運動が同時に行えて一挙両得です。

 ニューヨークでは川沿いをお年寄りの方が、少し派手な運動着姿で行き交うのによく出会いました。健康を本当に大切に思い、予防に努めているからです。しかもなかなかスマートな、いい体をしており、私も負けていられないなという気がしました。 私たちも、彼らにも負けずシェイプアップしたいものです。

投稿者 ageclinic : 22:49

健診で引っ掛かった方 −糖尿病一歩手前が危ない−

 糖尿病の専門医としていつも残念に思うのは、いつ糖尿病と医者に言われましたかとお尋ねしてもほとんどの患者さんがはっきり答えられないということです。

 たとえば「3年前、糖尿病の気があるといわれたが、糖尿病だとははっきり言われていない」と聞いて調べると、3年前には立派な糖尿病だったなどということが多いのです。まして、いつから境界型になったかを知っている方はほとんどいません。糖尿病と正常のさかい目の血糖値の人を医学界では境界型と呼びますが、まずこれになった後さらに進行し糖尿病になってしまうわけです。会社の健診や住民健診で尿糖や血糖値で一度でも引っかかった人は大体、糖尿病かこの境界型のいずれかと考えてよいでしょう。

 ちょっと気になるけれど病院に行ってもう糖尿だよといわれるのも怖い、そんな気持ちで過ごされている方も多いのではないでしょうか。実は最近この境界型が注目されています。

 さて、糖尿病ならともかく境界型くらいで何か身体に支障があるのでしょうか。実は5,6年前までは糖尿病の専門家でさえあまり問題にしていませんでした。その頃なら境界型であっても「まだ糖尿病になっていませんよ。よかったですね」などと言われていたことでしょう。しかし、最近事情が大きく変わってきました。この境界型の人を医学的に追跡調査した結果、意外なことが分かってきたのです。

 まず第一に、数年後に糖尿病に進んでしまう人が予想外に多いという点です。ご存知のように糖尿病に一度なってしまえば治ることは難しい。したがって、境界型になったばかりの時期こそが糖尿病を予防するに一番適しているのです。

 第二点はもっと深刻で、この境界型の方は心筋梗塞や脳卒中を起こす頻度が大変高いということです。動脈硬化が進み血液が詰まり易い状態になっているからです。どちらも前触れなく突然起きることが多い病気で、心筋梗塞は急死につながり、脳卒中は助かっても半身不随の後遺症を残します。こうなると検査で境界型だった方にとてもよかったねとは言えませんね。

 糖尿病の人は40歳以上の10%ですが、境界型の人は20%いるといわれていますから、かなりの数です。しかも最近は20歳台30歳台の方にも増えてきており、急に太ったとか親が糖尿だなどという方は若くても危ないですよ。また、年齢とともに数が増えますから70過ぎの方ならたとえ痩せていても安心は出来ません。

 では、糖尿病や境界型になっていないかはっきりさせるにはどうしたらよいのでしょうか。実はブドウ糖負荷試験という採血だけの簡単な検査を行えば一発で分かります。気になる方は是非この検査を受けてみましょう。たとえブドウ糖負荷試験で境界型でもがっかりすることはありません。半年位でまったく正常になる方もたくさんいますからまだまだ治ります。まさに予防を開始するのに最適のときですが、初めから厳しい食事療法などからスタートしても大抵は続きません。わたしは、まず1日20分程度のウォーキングから始めることを薦めています。なぜなら最新の中国での研究で食事療法より運動療法のほうが糖尿病予防効果が高いことが証明されているからです。食事ももちろん大切ですがそれほど厳密でなく、酒の量や間食をすこし減らすだけでも効果は十分あります。

 一方痩せたいと真剣に考えている方なら、栄養士さんにについて本格的ダイエットを始めるのもいいでしょう。

 最後に、境界型の方には1ヵ月か2ヵ月に1度程度でよいですから血糖値やコレステロールなどの検査を是非定期的に受けて欲しいと思います。すこし頑張って血糖値が下がってきたことを確認できるとやる気が起こるものです。また効果を確認するだけでなくダイエットなどで体のバランスを崩していないかチェックすることも大切です。ときどき、頑張りすぎて電解質という血液の塩気の成分に異常をきたす人もいますから注意が必要です。糖尿病予防のため上手に病院を利用して欲しいものです。

投稿者 ageclinic : 22:48

手足シビレませんか −ひょっとしてあなたは糖尿病?−

寒くなると持病の腰の神経が痛むなどということをよく聞きますね。
実はこんな神経の病気が糖尿病と深いかかわりがあるのです。

あなたには手足の先が何となくシビレる、あるいは足の裏に何か付いているような
妙な気がするなどの症状はありませんか。
実はこれこそが多くの糖尿病患者さんが始めて経験する症状なのです。
心当たりのあるあなたはすでに糖尿病になっているのかも知れませんよ。

糖尿病は眼にくるとことは皆さんご存知と思いますが、
案外神経がやられることは知られていません。
始め患者さんは気が付きませんが専門医が診察すると
なんと約7割の糖尿病の方にこの障害が見つかります。

シビレは最も初期の症状で、これがきっかけで病院に行き糖尿病が見つかる例もよく経験することです。
糖尿病で失明するのも恐ろしいことですが、軽いシビレといえども決して馬鹿には出来ません。
思わぬ結果が待っていた例をご紹介します。

Sさんは糖尿病の余病が原因で、神経がすっかり麻痺し最後は足を切断することになりました。
実は糖尿といわれた後も、タバコは40本、お酒好きで
ビールや日本酒をそれこそ浴びる生活を続けていたようです。
なにせ症状が全くなかったので周囲には「糖尿なんて気にしちゃいられないよ。
俺は太く短く生きるのさ」と口癖のように話していたようです。

こんな調子なのでもちろん病院通いも途切れがち、初めての自覚症状がこの手足のごく軽いシビレでした。
しかし次第にシビレは痛みに変わり、ついには夜も眠れない状態になりました。
それを紛らわすため寝酒の量も2合3合と次第に増えて行きました。
このため一度入院してお酒を断って症状はすっかりよくなったのですが退院後、ぷっつり来なくなりました。
この治療中断が致命傷でした。それから2年後「足が真黒くなった」と別人のように痩せて、
しょげ返ってこられたときは私も本当に驚きました。ひどい壊疽(えそ)を起こしていたのです。

「退院後、酒を始めたらシビレが再発してきた。でも最近はすっかりシビレが治り安心していたのに、
急に足の先が黒くなってきた」と訴えていました。治ったのでなく足の知覚神経が全く働くなったためです。
診察で足を思いっきりつねっても、もはや何の感覚もありませんし、
皮膚は氷のように冷たく血液がほとんど通っていないことが分かりました。
こうなると壊疽が起こるのです。

歌手の村田英雄さんの例と同じで足を切断する必要がありました。
初めてシビレが起こったときにちゃんと治療しておけば
決してこんな事態は起らなかったのが返す返すも悔やまれます。
やはり軽い症状でも決して放っておいてはいけません。
あとで取り返しの付かないことになるのです。

もちろんシビレは糖尿病以外でも起きます。
脳卒中後遺症や首や背骨の病気のほか、男性ではアルコール、
また女性では手首のところでの神経の圧迫でも起こります。
いずれが原因の場合でも早いうちだと飲み薬で結構よくなりますが、
進行すると手術や特殊な治療が必要になりやっかいになるのです。

 さて、糖尿病で神経が悪くなったときの症状は、シビレの他、こむら返り、
下痢・便秘、尿が出ない、立ちくらみが起きるなどさまざまです。
いったいどうしてこのように多くの症状が出て来るのでしょうか。
この不思議を理解するためにはまず「血糖値」とは何かを正確に理解する必要があります。
専門家として、この言葉は子供からお年を召した方まで一人一人に大切だと思っています。
食生活、運動など健康一般に大きく関わっているからです。

壊疽などの怖い話はこれくらいにして、次回は「血糖値」の話を
すこしリラックスして聞いてもらいたいと思います。
お楽しみに。

投稿者 ageclinic : 22:47

糖尿病合併症を抑える薬を必ず 忘れえぬKさんの言葉

 「牧田先生、アメリカまで行って研究されるなら、合併症を起こさない薬を何とか作ってもらいたいものだ」。「えー、どんな薬ですか」。「この薬さえ飲んでいれば、絶対余病が起きない。そんな薬を先生が作ってくれたらどんなに高くたってわしゃ飲みたいもんだ」。何気なく話された当時67歳のKさんの言葉が、わたしの人生を大きく変えました。

 その言葉を聴いたのは、いまから14年前、北海道の小さな病院で4年半ほど勤務していたころです。やっと念願の米国留学が決まったことを話しました。Kさんは2週間ごとにわたしの外来にずっーと通ってこられ、世間話なども気さくにする仲になっていました。別れがちょっと寂しそうな様子でしたが、続けて「わたしも長いこと糖尿を患っている、今は好きな酒も辞めて治療に励んでいる。でも本当いうと毎日浴びるほど酒を飲んでみたい。毎日好きなものをたらふく食っていたい。それを我慢しているのは、余病が怖いから」と、まるで長年隠していたことを告白するよう話してくれました。考えてみると、なるほど食欲は人間本来のもっとも大切な欲求です。制限なく飲み食い出来ることは、すべての患者さんにとっての夢でしょう。またその希望を叶えることこそ医療の役割です。なるほどKさんには糖尿病の薬を飲んでもらっているが、その薬は血糖を下げるだけで合併症を抑える薬ではない。つまり「血糖値がどんなに上がっても合併症を起こさない薬」がいまもっとも求められているのです。この研究を何とか向こうでやってみようと固く心に誓いました。

 留学先はニューヨーク市にあるロックフェラー大学で、そこは昔、野口英世が働いたところでした。わたしを採用してくれた教授は世界的に有名な方でしたが、大変厳しい人で完全な能力主義者でした。すなわち、日本的な温情などは微塵もなく、仕事が出来ない人は遠慮なく辞めてもらうというタイプです。世界中から優秀な研究者が集まってきますが、1年半ほどで、無能と判断され寂しく去って行くのをたくさん眼にしました。わたしに対しても同様で、はじめは腕前を見るため、あまり重要でない研究テーマを与え様子を見ています。こちらも意地があり、1日15時間働くというきついノルマを作り、何とか認められるよう必死に頑張りました。アメリカやヨーロッパの研究者は2−3週間の夏休みを取りますが、わたしは一切取らなかったので同僚の中には嫌味を言う人もいました。

 1年ほど経ち、そろそろ仕事振りを認められてきたかなと考え、恐る恐るわたしの研究の希望を教授に話しました。しかし、予想に反しいつも怖い顔をしている教授は笑みをたたえ言いました。「わたしも同感だ。糖尿病の研究で最も大切で、遅れているのは合併症の研究だ。合併症を良くする薬を1日も早く作らないといけない」。最後に「実はわたしの母もひどい糖尿なんだ。その母のためにもね」といい最後に小粋にウインクをした。やっと、わたしの希望にピッタリな新しい糖尿病合併症治療薬の研究を任せくれたのです。そのときは認めてもらえたという喜びで「かならず期待に沿えるよう頑張ります」と硬く握手を交わし部屋を出たのを今でもはっきりと覚えています。Kさんの夢を叶える薬の研究がやっとスタート出来たのです。寝る間も惜しんで仕事を続けました。その薬はかなり有望で、多少血糖値が高くても糖尿病の合併症は抑えることが出来そうです。仕事上でもちろん辛いこともたくさんありましたが、研究結果を権威のある科学紙に発表するときは、同僚みんなが祝ってくれ、教授が肩を何度も叩いて喜んでくれました。そのとき、ここまで頑張れたのはあのKさんの言葉のお陰だと心から感じました。

 「たらふく食べ、浴びるほど飲む」といったあの言葉は、Kさんばかりでなく、不幸にして糖尿病になられた方共通の願いでしょう。わたしは、長年の研究を通して、糖尿病の合併症は薬でかならず抑えることが出来ると確信しています。

投稿者 ageclinic : 22:46

糖尿病と糖尿病合併症は違います!

 「目が見えなくなったりしませんか」「知人が糖尿で血液透析をしているのですが私は大丈夫でしょうか」。

 糖尿病とはじめて言われた方がまず不安を感じるのはこんなことでしょう。このような方への説明にはまず、糖尿病と糖尿病合併症の違いをはっきり理解してもらう必要があります。実は医学的にはこの2つは全く異なっています。たとえば、医師はカルテに糖尿病と糖尿病合併症を異なった病名として記載しています。

 まず糖尿病ですが、これは一口で言うと血液中の血糖値が高くなった病気です。その判定はまことに簡単で朝食を取らずに計った血糖値が110(mg/dl)以下だと正常、126以上だと糖尿病となります。たった20位の値の差で糖尿病の烙印を押されるのに強い抵抗を感じる方も多いようです。ましてなんの自覚症状がなければ「こんなに元気なのにどうしてわたしが?」と思われる割り切れないお気持ちにきっとなるでしょう。でも、本当は症状に気が付かないだけなのかもしれませんよ。

 たとえば高血糖では密かに脳神経系に影響が及んでおり、食後の思考力の低下、疲れやすさ、眠気などが起こっています。「食べた後眠かったのが、糖尿の薬を飲んでからすっかり取れた」などという声をよく聞きます。また免疫力が大きく低下しますから、風邪を引きやすくなったり、傷が治らなかったり、ひどい水虫に悩まされることがしばしば起こります。50代の女性の方で、皮膚の吹き出物がひどくどんなに高い化粧品を使っても直らない方がおりました。皮膚科の先生から、ひょっとしたら糖尿かも知れないねと言われ調べたらその通り。糖尿病に治療とともに皮膚はすっかり完治した例もあります。ですから血糖が高ければ本当に元気だとは言えない状態なのですよ。

 一方糖尿病合併症とは糖尿病になった後、5年以上経ってから徐々に起こってくる余病のことで目、神経、腎臓に起こってきます。例えば目では、始めすこし目がかすむくらいの軽い症状がですが、進むとある日突然まったくものが見えなくなるということが起きます。次に神経の障害では、両方の手足がジンジンしびれたり、ぴりぴりした痛みが起こります。とくに夜になるとひどくなり眠れなくなるほどになります。こむら返りや男性の性機能低下もその症状のひとつです。立ちくらみは起き上がるとき血圧が急に下がるために起きますがこれも合併症で起きてきます。注意しなければならないのは、この神経障害が進むとこの手足のシビレや痛みがまるで何事もなかったように消えてしまうことです。これをよくなったと誤解する方がいますが、実際は神経が全く働かなくなってしまうほど悪化したためなんです。

 最後の腎臓の症状はまず足や顔のむくみから始まります。このむくみは段々悪化して、それに伴い尿がだんだん出なくなります。尿が出なければ体の老廃物が毒素(昔は尿毒といいました)となり溜まってしまうのでこれを取り除くため最終的に血液透析が必要になります。

 従って糖尿病と糖尿病合併症の区別は、まず糖尿病が起き、その一部の人に続発して起こってくる余病が糖尿病合併症ということになります。初めは糖尿病だけ、後でこれをこじらせた人にだけ糖尿病合併症が起きると考えてもよいでしょう。したがって糖尿病だけなら恐れることはありません。むしろこいつを悪者だなどと毛嫌いせずに、体に気をつけるための番人と思って上手に付き合ってゆきましょう。つい最近「糖尿といわれショックだったが、食事を徹底したらこんなにやせた」と嬉しそうにズボンの弛みを見せてくれた方などは、本当に付き合い上手だと思いました。

 でも不幸にして糖尿病合併症の病名が付いてしまった人も決して悲観する必要はありませんよ。最近は目の手術の技術が飛躍的によくなり、麻酔を上手につかった痛くないやり方で見えなくなった目を助けることが出来るようになりました。また血液透析も技術が向上し、短時間でしかも回数も減ってきています。この透析を受けていればほぼ普通の日常生活が送れます。よく血糖値の数字の値ばかりを気にして、いつも落ち込んでいる方がいらっしゃいますが本末転倒ですね。大事なのは決して数字ではなく合併症を起こさないこと、進めないことです。ですから、糖尿病の方はまず、自分は合併症があるのか、あるならどの合併症で程度はどの位なのかを必ず確認してください。それが判れば必ずいい治療法が見つかるはずです。

投稿者 ageclinic : 22:46

GI値の低い物を食べよう  −ダイエットにも有効−

今回のGI値のお話は、多少学問的ですが糖尿病の方はもちろんダイエットに興味のある方にも是非知ってもらいたいと思います。

 これを理解してもらえば血糖値を上げない賢い食事が出来るので毎日の食生活に役に立つでしょう。では早速勉強を始めましょう。

 実は、ある食べ物を一定の量を食べたとき、一体どのくらい血糖値が上がるかはすべてわかっています。この血糖値の上がり易さを表した数字をGI値(ジーアイち)といいます。実際は、たんぱく質や脂肪はほとんど血糖を上げないので糖質が重要ですが、その糖質の中でも種類によっても血糖の上がる度合い(値)は大きく違います。

 例えば砂糖、ご飯、食パンなどはすべて糖質ですが血糖を上げる力(値)は違います。食パンは264カロリーですがご飯は356カロリーと高いので、後者を食べたほうが血糖が上がるように思いますが、結果は何と逆です。カロリーの点では少なかった食パンのGI値は91でご飯は84なのでの、パンのほうが血糖値が上がるのです。血糖値が上がると太る原因となるインスリンが増えるのでまさにダイエットの敵でもあるのです。ダイエットや糖尿病治療の先進国である欧米では、カロリーだけでなくこの値にも注目して食事に気をつけているのです。もしかしたら、あなたは知らず知らずのうちに高値の食べ物を取りすぎているかもしれませんよ。

 まず主食の白いご飯ですがGI値84ですべての食品の中でもかなり高い値です。これと比べておなじお米で、しかもカロリーはまったく同じ玄米では55、発芽玄米だと54とはるかに値が小さいのです。つまり、白いご飯を後者に変えるだけで食べた後の血糖値が上がらなくなります。先ほど述べたように白い食パンはGI値がご飯以上に高いのですが、ライ麦パンだと約半分の58、全粒粉パンだともっと良くて50です。一般的に、米でも小麦粉でも精製度を上げるほどGI値が高くなるようです。うどんの値は80で結構高いのですが、そばは59です。ダイエット中の方は絶対そばがいいですね。

 野菜のGI値はみな低めで、30前後ですが、例外はじゃがいもの(GI値90)とにんじん(GI値80)の2つです。食べてはいけないことはありませんが食べる量にすこし注意が必要ですね。また、意外に肉はGI値が低く、しかも牛、豚、鶏肉で大差なく大体45くらいですからあまり血糖は上げません。ただカロリーは牛と鶏で2倍以上大きく違いますからら、ダイエット中の人は鶏肉がいいでしょう。豆類はすべてお勧めで納豆はたったの33、枝豆も30です。じつは一番GI値が低いのが海藻類で、例えばところてんはたった11、寒天は12、海苔は15ですから糖尿の方やダイエットには理想的な食べ物ですね。

 最後にお菓子類を見てみましょう。残念ながらのはGI値が高いものが多く、とくに大福88、どら焼き95、かりんとう84、せんべい89など和菓子は驚くほど高いものが多いようです。これに比べ洋菓子では、生クリームのケーキが82、チーズケーキが75と予想外に和菓子より低い値です。でもドーナッツとチョコレートは、それぞれ86と91で最も値が高いお菓子です。以前お勧めとしてあげたゼリーは46、プリンは52ですから血糖値を上げないお菓子といえます。
果物は、大体30から40くらいで、いまが旬の柿が37ですから、和菓子や洋菓子よりは血糖が上げません。デザートを果物に変えるのは賢い考えですね。でも美味しいからと2個3個と食べすぎて意味がありませんよ。

 さてGI値の立場から血糖値をさげるポイントをまとめると、
1.白米や白いパンを発芽米やライ麦パンなどに変える(とにかく白はよくない)。
2.GI値の低い野菜、豆類、海藻をたくさん食べて満腹感を満たす。
3.血糖が上がるのは和菓子>洋菓子>プリン>果物>ゼリーの順なので賢く選びましょう。

 いろいろ述べましたが、食べ物は人生のもっとも大きな楽しみです。あまり神経質になりずに、でも私のアドバイスをすこし心の片隅に止めてくれればと思っています。

投稿者 ageclinic : 22:45

血糖値を上げない工夫 −甘いもののとりすぎに注意−

 血糖値がほんの少しでも上がるだけで、予想外の病気を引き起こすことを説明してきました。つまり人間は各器官が調和してはじめて全体として機能することができるわけです。
この調和を守るには、まず日ごろの食生活に細心の注意を払うことが大事です。皆さんが実行しやすいように血糖値を上げない工夫を3つの点に絞ってお話しましょう。これは、すでに糖尿病や境界型の方だけでなく糖尿病にはどうしてもなりたくないと考えている方々にも大いに参考になると思います。

 まず第1は、清涼飲料水やドリンクを止めることです。血糖を上げる砂糖やブドウ糖が大量に含まれているからです。例えば無果汁ジュースの中身の1割以上が糖質(砂糖)で、コップ2杯飲んだだけでご飯茶碗1杯分を食べたカロリーになります。しかもご飯のように消化吸収の手間がかからない分、血糖値の上昇はずっと大きくなります。スーパーに行くと、無果汁ジュースやコーラは2リットル入りの大きなプラスチックボトルで売っているます。安くて美味しいのでついつい水代りにがぶがぶ飲んでしまいますね。最近、これらの飲みすぎからある日突然、突然意識がなくなるほどのひどい糖尿病を起こす例が増えています。血糖値が正常の10倍以上にまで跳ね上がり脳が活動できなくなったためで、治療にはインスリン注射が必要になります。

 こんなことにならないためにもやはりのどが渇いたら水を飲みましょう。じつは健康ドリンクも同様で糖が入っているので血糖値を上げます。ビタミンなどの栄養を補給はドリンクではなく錠剤のもので取りましょう。そうすれば血糖値を上げることはありませんね。

 第2点は、揚げ物を減らすことです。揚げ物には油がたくさん含まれており、それには糖質の2倍以上のカロリーがあります。太るばかりでなく血糖を長時間上げる原因にもなります。糖尿病の患者さんは「団子は一時的に血糖を上げるが、から揚げを食べた後は1日中上がったままだ」などとおっしゃいます。経験的によくないことを知っているのですね。中にはてんぷらの衣をはずして食べる人もいるほどです。とんかつ、フライドチキンなども同様で毎日食べるのは考え物です。週に2回くらいに減らしましょう。

 最後に血糖を上げないためにはやはり甘いもの(糖質)に注意が必要です。血糖を上げる力が脂肪やたんぱく質などよりも強力だからです。医学的にはご飯やパンも糖質(炭水化物)に含まれますが、現実にはやはりお菓子類をどう取るかが最大の問題でしょう。ポイントはカロリーが少なく、しかも糖質含有量の少ないお菓子を選んで食べることです。よく和菓子は良くって洋菓子は血糖を上げると思っている方がいらっしゃいますがそれは間違いです。例えば、スポンジケーキと練り羊羹はカロリーが300(100グラムで)前後で変わりませんが糖質の量が54対70と羊羹がかなり多くしたがってむしろ血糖は上がりやすいことになります。和菓子が安心とはいえませんね。ところで平均的なお菓子は300カロリーくらいですが、これはご飯なら約2杯分に当たりますから結構なものです。このくらいの高カロリーのお菓子を食後すぐに食べると血糖が上がりすぎます。むしろ食後2,3時間してからおやつとしてお茶やコーヒーなどと食べるほうが良いでしょう。もちろん1日1回までで2回以上は血糖の上げすぎです。

 コーヒーゼリー、オレンジゼリーはたった50カロリー前後、しかも糖質が1割前後と少ないため血糖値をあまり上げませんからお奨めです。洋菓子ならショートケーキよりシュークリーム、和菓子ならせんべいよりくし団子のほうがカロリー、糖質量とも少なくいいでしょう。またカロリーが意外に高く避けたほうがよいのが、かりんとう、ポテトチップ、ビスケット、クラッカー類です。中でもポテトチップは550カロリーで、なんとこれだけで1日分の1/3のカロリーになります。是非やめて欲しいですね。

 甘いものをたくさん食べたいなら、砂糖を止めてダイエット甘味料を使いましょう。たとえばステビアなどは安全で美味しくしかもカロリーは何と砂糖の何10分の1です。砂糖がたくさん必要な煮物やお菓子作り、普段飲むコーヒーなどに使えば大きな効果があるでしょう。

 さて血糖値を上げない工夫はまだ続きます。次回はさらに最新の医学に基づいたお話をしたいと思います。

投稿者 ageclinic : 22:44

血糖値て何ですか −上がっても下がっても怖い−

 「血糖値」という言葉、聞いたことがあるでしょう。みんなが注目している人気者?でしょうか。でも糖尿病の人には悩みの種です。わたしの患者さんは「酒を飲んでいてもいつもこれが頭をかすめる。もう心から楽しめなくなってしまった。本当にいやなやつ、それが血糖値だ」といっています。むしろみんなからの嫌われ者でしょうか。ではこいつの正体は何なんでしょう。今回は専門医として、基本的な知識をまずお話しましょう。若い方にもちょっとだけ注目して欲しいと思います

 血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度を表した数値です。このブドウ糖はご飯やパン、砂糖などの炭水化物に含まれています。例えば朝、ご飯を食べると、消化酵素の働きで胃や腸で小さく分解され最終的にこのブドウ糖になります。そして小腸の小さい孔から吸収され体の血管の中に入ってゆきます。およそ30分ほどで徐々に血液の中にブドウ糖として取り込まれ、血液中のブドウ糖が増え、血糖値が上がることになります。普通食べる前のブドウ糖の量は血液100ml中に80mg(80 mg/dlと書きます)ですが、食後は130mg位まで増えます。すなわち血糖値は食べ物や運動で値が大きく上下することということを是非覚えておいて下さい。それと、お酒は炭水化物ではありませんが血糖値を上げます。

 ブドウ糖はからだを動かすエネルギー源としてとても大切な役割を果たしています。とくにわれわれの脳はこのブドウ糖がないと全く働くことができません。ただ単に考えることができなくなるだけでなく、昏睡状態になり死亡することになるのです。ですから、この値は低くても良くありません。低くなったときの最初の症状は、強い空腹感です。さらに、あくびがでたり眠気が起こったり思考する能力が低下します。つまり脳の働きが落ちてきた症状です。このため人によってはイライラが生じたり怒りっぽくなることもあります。仕事が忙しくって長時間食事が取れなかったときなどそんな経験あなたもありませんか。しかし、これらの症状はほんの少し血糖値が下がっただけでおこり、大きな害は全くありません。実は体には大量のブドウ糖が蓄えられているので、血糖がひどく下がることは普通はないのです。

 問題は、やはり血糖値が高くなるほうですね。食後にやたらのどが渇いて水を何杯も飲んでしまうとか、今までは夜はぐっすり眠っていたのに、最近尿に起きるようになったなどは最もよく聞かれる症状です。また、男性の方では、尿をするときに泡がたくさん出るなどと言われます。これは多量のブドウ糖が中に入っているための症状と考えられます。女性の方は、食事をとった後、妙に眠くなり昼寝をするようになったといわれます。これは血糖値が上がると脳の活動が鈍くなるからです。男性の方なら、なんとなくしゃきっとしなくなったとか仕事が億劫になってきたなどといった表現になります。いずれも年のせいだと考えてあきらめていることが多いのですが、実は糖尿病が隠れていることも多いのです。決して年のせいではなく血糖を下げれば、まだまだシャキッと出来るかもしれませんね。

 さて、この血糖値は決して急に高くなるのではなく何年も架かって少しずつ高くなってくるものです。とくに重要なことは糖尿病と正常の間に境界線上(境界型と呼ばれています)の人がたくさんいることです。「糖尿病の一歩手前だ」とか、「糖尿病の毛がある」と医者に言われた人は大体この境界型の人でしょう。まだ糖尿病でないのならすこし気を付ければ大丈夫なんだろうときっと思っているでしょうが、とんでもないことです。最近の研究は、この境界の人もすでに糖尿病の人と同じくらい心筋梗塞や狭心症に罹る頻度が増えているため、しっかりと治療が必要があることを確実に証明しています。もう危ない「糖尿病の境界線上」について、次回は詳しく説明したいと思います。

投稿者 ageclinic : 22:43

糖尿病の2つの顔 —恐ろしさとやさしさ— 早期発見、早期治療

「こうして目が見えなくなった今、もっと治療をちゃんとしておけばと本当に悔いが残ります」とうつむき加減で静かに語ってくれた様子は今でも忘れられません。かみ締めるように突然暗黒の世界に入ってしまった経過を当時56歳だったAさんは語ってくれました。

 13年ほど前から会社の健康診断では糖尿病の気があると言われ続けていたそうです。仕事をバリバリこなし、自分の健康には人一倍自信を持っていたため、かえって病気をはっきり宣告されることが恐ろしかったのです。また自分の食生活や酒のことを医者にとやかく言われるのが嫌で病院行きを避けていたそうです。「実は1年ほど前から少しずつ視力が落ちて来ており、ひょっとしたら余病がでたのではとかなり心配だった。今思うと病気から逃げていた」と厳しい表情でおっしゃいました。しかし、ある朝突然右目が全く見えなくなり、さすがに驚いて近くの眼科に飛び込んだのです。最終診断は、思いもかけない重度の糖尿病網膜症(もうまくしょう)による右目眼底からの大量出血というものでした。目に関してはもう手遅れで、近いうちに左目もだめになるだろうといわれ、このつらい宣告は数週間で現実のものになりました。入院後の精密検査では腎臓にも重い余病が及んでおり、近いうちに血液透析すら必要な状態でした。

 こんどは全く逆の例をご紹介しましょう。いつもやさしい笑顔で通ってこられる80歳後半の女性のBさんは、糖尿病といわれてすでに40年。3年前からは、薬が効かなくなったためインスリン注射を1日3回しています。同時に3回の血糖値検査も決して欠かしません。自分で採血し調べた値を手帳にこまめに書き込んでくれますが、こんな小さな字まで読めるのですねとわたしも驚いてしまうくらいです。「息子に犬を買ってもらった。おかげで朝夕の散歩は欠かせなくなった。」と笑っていました。「長生きしても家族に迷惑をかけるようじゃだめ。糖尿でインスリンを打つのも悪くないよ。3度の注射はわたしのボケ防止に一番効果があるからね」とさらっと語り帰って行かれました。背筋がピンと伸びて若々しい後姿を見ながら、本当に上手に糖尿病と付き合っているなあと感心してしまいます。同じ糖尿病になってもこの2人に大きな差が出てしまったのは、ただ1点、Bさんは早期からちょっとした基本的な治療を継続したというだけです。

 糖尿病で目が悪くなり失明することがあることは皆さんよくご存知だと思います。最も恐ろしい余病(医師は合併症と呼びます)のひとつですが、困ったことにこの余病で完全失明される方は何と毎年4千人以上に達しております。その原因のひとつに治療をほとんど行わない放置者が多いことがあげられます。幸いなことに、糖尿病の医療は進歩を遂げ、いい薬や治療法がどんどん出来てきています。インスリンですらどんな高齢者でも簡単に使え、痛みもほとんど感じないよう工夫されているのです。つまり、Bさんのように、ちゃんと早期から治療を行えば、40年たっても、目、腎臓、神経などすべての余病を完全に防ぎハツラツと暮らせるのです。通院中の方から「はじめは、糖尿病で通ってくるのがいやだったが、自分の努力で数値がどんどん良くなってくると嬉しくなり、結果を知るのが楽しみになってきた」などと聞きます。

 糖尿病は、治療を怠ると後で大きな代償を支払うことになる恐ろしい面を持つ一方、早くから治療すれば、恐れることは全くない病気といえます。

 早期発見、早期治療です。糖尿病外来の皆さんすべてがBさんのようにいきいきとして長生きしてもらいたいと心から願っています。

投稿者 ageclinic : 22:43

糖尿病から来る腎臓病(腎症といいます)は軽いうちなら完治します!

 糖尿病で恐ろしいのは合併症ですね。とくに腎臓が悪くなると透析になってしまいとてもやっかいなことになってしまいます。何とか避けたいものですね!

 この点に関して昨年(2002年)イギリスから素晴らしい報告がありました。軽症の腎臓病なら薬で完全に治ってしまうことが分かりました。とても良いニュースですよね。すこし難しいかも知れませんがその研究についてできるだけわかりやすく解説してみます。


 スライドを4枚使います。


 

 この素晴らしい研究はロンドン大学のビバリティー教授が発表しました。糖尿病の腎臓合併症の研究をワイフワークにされており、私も良く知っている先生です。

 英語の頭文字をとってマーバル研究と呼ばれています。

 糖尿病で腎臓が悪くなるとまず尿にアルブミンという蛋白が出てくるようになります。

 今まで判っている医学的な事実が書かれています。一言で言うとこじれてきた合併症が薬で治るのか? ということを調べました。


 効果がありそうな2つの薬を比較したのですが、実はいずれも血圧を下げる薬です。それでまず血圧を下げる力を比べました。上のデータでは両者全く効果に差がありませんね。

 ところが上のグラフを見てください。尿アルブミン改善効果はバルサルタンの方だけです。


 しかも腎臓を良くする効果は血圧が正常な人でも十分あります。


 これが結論的な大事なデータですが、29.9%の人に悪くなった腎臓が良くなった(正常化した!)という結果が得られています。

 手遅れにならない内に(!?)、腎臓を治しましょう!

投稿者 ageclinic : 16:51

糖尿病は増え続けています!!

最新医学情報 2                          
10月19日版

糖尿病は増え続けています!!


今年(2003年)8月に厚生労働省から糖尿病実態調査が発表されました。5年おきに調査しているのですが、平成14年度の状態が下の図のようになっています。


 この結果で注目されるのは、予備軍(糖尿病の可能性が否定できない人)が200万人も増えている点です。6.3人に1人の国民病ですね。


 厚生労働省ではHbA1c値が5.6 〜 6.1%の方を予備軍と考えているわけですが、この方々は頑張れば正常に治る可能性があります。初めから糖尿病になってしまうわけでなく、予備軍の時期が3〜6年位あると言われています。是非この時期に発見して予防したいものです。


糖尿病は必ず予防できます!!

投稿者 ageclinic : 16:49

実地医家へのやさしいワンポイント・アドバイス

糖尿病患者さんへの新しいアドバイス −ビタミンB6をお飲みなさいー


内科医なら誰しも、失明や透析に至った糖尿病患者さんを担当した苦い経験をもったことがあるでしょう。そんなときは自分の医療の限界を感じると同時に、何か合併症を抑えるいい治療が無いかと思わずにはいられません。


最近、ビタミンB6がそんな期待に応える薬として注目されています。糖尿病合併症を強力に阻止する作用があり、米国ではすでに糖尿病腎症治療薬として臨床治験が進められています。期待の最大の理由は副作用が無いと考えられるからです。本当にビタミン剤で合併症が抑えられるなら糖尿病患者、誰しもが飲んでみたいと感じるでしょう。しかも、作用機序のはっきりしない(エビデンスに欠ける)ビタミンB12とは全く異なり、B6の効果は最新の科学的エビデンスに基づいています。


B6にはピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンの3つの構造体が存在し、その主な働きはアミノ酸代謝に関与する各種酵素の補酵素作用です。近年、動脈硬化抑制作用があることも明らかにされています。糖尿病慢性合併症に対しては、その原因と考えられる終末糖化産物(AGE)生成阻害が作用点になっており、糖尿病動物への投与で糖尿病腎症阻止に優れた効果があることも確認されています。B6ファミリーはいずれもこのAGE阻止作用をもち治療薬の可能性を持ちますが、ピリドキサミンが治験薬として用いられており、わが国でも臨床治験が計画されています。


しかし、サプリメントや代替医療が好まれる現在では、この治験の結果を待つ必要は無いかもしれません。外来で「何か、病院で出されたお薬以外の治療を行っていますか」とか「病院で出せる薬以外の治療を行いたいですか」と尋ねて見て下さい。そして「それなら、ビタミンB6をお買いなさい。あなたの余病を抑える効果が科学的に証明されています」とワンポイントアドバイスを行っては如何でしょう。糖尿病学会で定めたガイドラインはHbA1cを6.5%以下に保つことですが、これを達成出来ない患者さん(=75%の糖尿病患者)には特にこのアドバイスが必要と思われます。

投稿者 ageclinic : 16:44

メディカルダイエットって何?

中国製ダイエット食品でなんと4人もの人がお亡くなった事件(健康被害は2百人以上)は、間違ったダイエットの恐ろしさを私たちに教えてくれました。


健康食品などは「効かないかも知れないが、害はないだろうから試してみよう」といった軽い気持ちでスタートする方が多いようです。しかし、実際はどんな健康食品でも副作用はあるということを知ってほしいと思います。


では医学的(安全に、無理なく)にダイエットするとはどんな風にすればよいのでしょうか?

実際の例を見ながらご説明しましょう。

31歳 男性 身長174cm、体重106kgの方のダイエット例です。


まず肥満度を計算してみましょう。


これはBMI(ボディーマス・インデックス)で表しますが


BMI=(体重Kg)÷{(身長m)x(身長m)}=106÷3.0276=35.01


BMIが25以上の方が肥満症なので35を超える方は高度の肥満症といえます。

このような方は、もうやせることが出来ないと諦めていることが多いものです。しかも摂取カロリーの制限が厳しくダイエットを続行できないとか、無理な運動により膝関節痛が出てしまい歩けなくなったなどと難しい問題がいろいろ出てきます。

まず「肥満になるのは本人の意志の欠如である」考えを捨ててください。


最近の肥満遺伝子の研究から誤った考えであることが分かっています。遺伝により食欲や毎日のエネルギー消費はヒトそれぞれで全く違います。たとえば同じアンパンを1つ食べてもすぐ燃焼してしまい全く太らない人、逆に消費できず太ってしまう人がいるのです。どういう訳か人間は不公平に出来ているのです

次に「食べ物を我慢するという人間の意志の力を過信しないでください」。

食べたいというのは人間の最も強い本能です。意志に頼ったダイエットはたとえ一時的に成功してもリバウンドが必ず来るものです。

投稿者 ageclinic : 16:42

1.糖尿病が心配な方々へ Q & A

Q1: 糖尿病って、遺伝するんですか?


A: 糖尿病(特に2型糖尿病では)が起きるのには遺伝が大きく関係しています。

例えば、両親とも糖尿病だと、子供さんが糖尿病になる確率は何と75%という高率です。さらに片親だけが糖尿病の場合でも、子供さんが糖尿病になる率は25〜30%もあります。したがって、親が糖尿病の方は、この病気になり易いことがお分かりになったと思います。


このように糖尿病の危険が高い人は、是非予防して欲しいものです。幸いなことに、すぐに糖尿病になることはなく、予備軍(検査では境界型)という状態が普通3〜4年はあります。この時期に予防できれば糖尿病に成らずにすみますよ。


でも、全く家系に糖尿病の方がいない方も沢山なってしまっています。遺伝的に大丈夫と決して安心は出来ませんよ! 年に1度は糖尿病の血液検査を忘れずに!

Q2: 糖尿病って、一度なったらもう治らないのですか?


A: 初期だと治る可能性があります。


糖尿病は、時間が経ってしまったらもう治りませんが、初期(普通糖尿病になって1年以内位)や予備軍の状態の時は治す事ができます。


一般的に糖尿病は何年もかかって少しずつ病気になってゆきます。したがって、最低年に1回検査をしていれば、一歩手前の予備軍の状態で発見することが十分可能で、糖尿病を予防できます。


糖尿病の人は700万人(40歳以上の1割です)もいるといわれていますが、予備軍の人もほぼ同数います。ひょっとしたら、あなたもすでに予備軍になっているかも知れませんよ! 


Q3: 自分が糖尿病の予備軍かはどうしたら分かりますか?


A: 糖負荷試験という検査を行えば分かります。


ブドウ糖水を飲んで2時間まで30分ごとに採血するだけの比較的簡単な検査です。尿糖が1度でも出た方、危ないといわれた方は必ずこの検査を受けてもらいたいものです。


その時血糖値だけでなく、インスリン値も必ず測ってもらいましょう。そうすれば、糖尿病になる危険度まで、かなり精確に判定することが出来ますよ。


Q4: 実は検査で糖尿病の烙印を押されるのがとても怖いのですが?


A: 検査の結果を恐れないで、自分の健康状態を見極めてください。


 テレビや新聞で毎日のように糖尿病が話題になっているので、自分も気にはなるが検査結果を聞くのがとても怖いというお気持ちはよく分かります。


 でも、ちょっと考えてみてください。早めに見つけることが出来れば、治すことだって出来るのですよ。逆にこじらせて余病が進んでからの治療は大変です。例えば、専門医とし、もう少し早く来てくれたらもっとよい治療が出来たのにと悔やまれることも多いものです。一番いいのは、予備軍の内に発見し、糖尿病にならないうちに予防することですよ。


Q5: 血糖値って何ですか?


A:  血液の中に含まれるブドウ糖の量です。これが高くなるとあなたも糖尿病の仲間入り?


健康診断などではよくグルコースと書かれています。意外と知られていませんが、これは血糖値のことです。200を超えたら、まぎれもなく糖尿病です。また朝食前の値だと126以上でもう糖尿病(正常値は110以下です)。110以上126以下でと予備軍と思われます。専門医に精密検査をしてもらってください。

投稿者 ageclinic : 16:38

スローフードのススメ

−「早食い」で血糖値と体重を増やしていませんか?—


 巷ではスローフードという言葉が流行っています。ゆっくり時間をかけて食事を楽しみましょうという運動のようです。なるほど最近はすべてがせっかちになってしまい食事もついつい「早食い」になりがちですね。


 しかし、糖尿病の方(予備軍の方)やダイエットを考えている方は是非、食事に時間をかけて欲しいと思います。実はこれが血糖値を下げ、体重を落とす最も簡単で大変有効な方法だからです。


まず「早食い」と「ゆっくり食い」を比較した下のグラフを見てください。


これは50グラムのブドウ糖水を一気に飲んだとき(5分間)と、3時間かけてゆっくり摂った時の血糖値の変化を表したものです。一目瞭然で「早食い」だと30分後に血糖値は140位に上がっているのが、ゆっくり食べるとほとんど血糖値は上がりません。


もっと差が明らかなのは次のグラフのインスリンの分泌状態です。早食いだとビックリするほど大量のインスリンが出るのに比べ、ゆっくり食べた場合はこれが出ていません。


インスリンが出すぎると正常の方が糖尿病予備軍になります。また糖尿病の方でインスリンが出過ぎると膵臓に無理がかかり、やがて薬が効かなくなります。つまり早食いは糖尿病、予備軍両方の方にとって大敵ですね。


 さらにインスリンが出すぎると太ります。ですからやせたい方はまずゆっくり食べることです!


 実は、これらは最新のアメリカの糖尿病の教科書の食事療法の部分に書かれております。


糖尿病の方はゆっくり食べることと食事回数を増やすことで血糖を大幅に下げることが出来ると、詳細なデータを示して納得の説明が書いてあります。日本の教科書に書かれているような、厳しいカロリー制限や食品交換表の話は一切載っていませんでした。


最新の研究重視と実行しやすい食事療法がアメリカ方式ですね。


血糖を上げるのはやはり糖質が断然重要なので、食事のポイントとし糖質(炭水化物)の腸からの吸収を遅らせる(ゆっくり食べ、食事の回数を増やす)ことを強調しています。


その効果は


1.  食後の血糖上昇をなだらかにする(糖尿病や予備軍の方へのうれしい効果です)


2.  食後のインスリン値を低下させる(ダイエットへの効果です)


3.  コレステロールが下がる


4.  尿酸がさがる


など10項目の効果をあげています。


例えば、デザートを食事後すぐに食べないで午前10時や午後3時(アフタヌーンティ−)のおやつに食べるのは賢いということになります。


あなたも、食事の時間(少なくとも30分位?)をちょっとだけ長くしてみませんか。そうすれば血糖も上がらず、ダイエットにもなりますよ。

投稿者 ageclinic : 16:31

夜型人間の方へのアドバイス

みなさんは夕食を何時頃食べますか?


最近、勤務時間の延長、不規則な勤務体制などにより家で過ごす時間が遅くなる傾向にあります。そうなると必然的に夕食の時間も遅くなります。夕食が遅い場合は、胃にあまり負担をかけない食事、つまり消化のよい食事をおすすめします。


本来夕食は18時〜19時に摂取することが理想ですが、実際には20時以降という人達が多いようです。三度の食事にはそれぞれ意味(役割)があります。夕食は1日に消費した栄養素(たんぱく質、ミネラルなど)の補給の役割があり、朝食や昼食とは違い活力をつけるために摂取するわけではありません。食べ過ぎ、飲み過ぎなどのカロリーの過剰摂取は、体脂肪として蓄積されやすいのです。


外食をする場合は、早めの時間(寝る3時間以上前)なら揚げ物などを食べても消化、吸収してくれますが、遅い時間になるなら消化のよいうどん類などにするといいと思います。


接待の場合には飲み過ぎに注意をして下さい。ビール1杯(中ジョッキ)でごはん1杯分のカロリーがあります。つまみなどもたくさん食べてしまうとカロリーオーバーになってしまい肥満の原因にもなります。


あくまで理想ですが、ビール1杯に焼き魚、酢の物、お茶漬けというのはいかがでしょうか?1日のエネルギー消費量の面からみると日中が最も多く、仕事終了時から除々に減少し寝る時にはさらに減少します。このため夕食は消化のよいもの、量は軽め(腹八分目)にしてほしいのです。

投稿者 ageclinic : 16:30

活性酸素を防いでアンチエージング!

老化と生活習慣病の原因と考えられている活性酸素を御存知ですか?


私達は酸素がなければ生きていくことができません。しかし酸素は鉄をさびつかせたりする『酸化』という働きがあります。同じように人間の体内でも色々なものが酸化されていますがその原因となるのが活性酸素と呼ばれるものなのです。


活性酸素は体内に取り込まれた炭水化物、脂質が酸素により燃やされ、エネルギーになる時に発生します。体に与える影響は、体内のたんぱく質や、脂肪、核酸などを攻撃し、病気(白内障、動脈硬化、がん、消化器疾患、糖尿病)また老化の原因になります。では活性酸素を除去する食べ物はどのようなものがあるのかというと、ビタミンE、ビタミンC、β-カロテンの3つです。


ビタミンEは、脂質の酸化、たんぱく質の変性に対する防御をします。多く含まれている食品は、うなぎ、南瓜、ししゃも、ほうれん草、アーモンドです。


ビタミンCは、血液中にある抗酸化物質では最も早く反応し、活性酸素を消去します。又、ストレスが多い方、タバコを吸う方はビタミンCを多めにとることをおすすめします。多く含まれている食品は、ブロッコリー、トマト、レモン、みかん、ピーマンです。ビタミンCときくと、果物に多く含まれていると思いがちですが、実は野菜にも多く含まれているのです。


β-カロテンは、知らない方も多いとは思いますが、体の中でビタミンAに変化するので、同じ事を意味します。多く含まれている食品は人参、南瓜、ほうれん草、春菊です。


これら3つのビタミンは、お互いに協力しながら活性酸素を消去しているので、1種類だけでなく3種類をかかさずとりましょう.

〜活性酸素に負けない1品料理を2つ紹介します〜


1.ブロッコリーと人参のピーナッツ和え(1人分)


 ブロッコリー  50g


 人参      20g


 粉ピーナッツ   2g


 砂糖       2g


 しょう油     5g

2.ブリの照り焼き


 ブリ       1切


 砂糖       2g


 しょう油     5g


 みりん      少々


 植物油      3g     付け合せに甘酢生姜20g

投稿者 ageclinic : 16:26

食品表示の見方

最近、食品のパッケージに「塩分ひかえめ」「ノンカロリー」「食物繊維たっぷり」などと表示されているのを見かけつい買ってしまうことはありませんか?販売する食品のカロリーや栄養成分に関して「塩分ひかえめ」「ノンカロリー」のような表示をする時は、「カロリー、蛋白質、脂質、ナトリウム、表示する栄養成分」を必ず書かなければいけないという決まりが1998年にできました。これを食品の栄養表示基準制度と言います。


この制度には、いろいろな栄養成分(カロリー、食物繊維、カルシウム、鉄、各種ビタミンなど)の基準値がもうけてあります。


例えばある食品の栄養成分が基準値以上に満たされていれば『〇〇豊富』『〇〇強化』などの表示ができ、基準値未満又は以下の場合であれば『ノンカロリー』『ひかえめ』などの表示ができます。ここで気を付けてほしい事は、ノンカロリーだからといって全くカロリーがないわけでは無いということです。


カロリーに関する栄養表示基準と照らし合わせてみると『ノンカロリー』とは食品100g(100ml)あたり5kcal未満の食品に表示でき『カロリーオフ』『低カロリー』は100g(100ml)あたり40kcal以下の食品に表示ができます。


「糖分ひかえめ」は砂糖やブトウ糖などが、5g以下の食品に表示ができます。驚くことに「甘さひかえめ」に関しては何の基準もありません。


このように表示内容の意味も知らずに控えめだからといって安心して食べてしまっては無意味になってしまいます。最近では毎日のように、テレビ、雑誌等で「〇〇は動脈硬化によい」「〇〇を食べて治った」等、食品に関する情報が氾濫しています。キャッチフレーズなどに惑わされず、内容を良く読み判断をして不安な事、困った事があれば、気軽に栄養相談を受けて下さい。

投稿者 ageclinic : 16:23

2005年01月17日

ライ麦パンと黒米  主食で取れる食物繊維で血糖値を下げよう

「真っ白い炊き立てのご飯」が大好きだった典型的日本男性の父の食生活が最近すっかり変わりました。いまは82歳とは思えぬほど肌つやがよく私も驚くほど元気いっぱいですが、この父も65歳のとき