AGE 内科クリニック
About Column Recruit Link Access

« 第7話 HbA1c | メイン | 食品表示の見方 »

2005年01月17日

ライ麦パンと黒米  主食で取れる食物繊維で血糖値を下げよう

「真っ白い炊き立てのご飯」が大好きだった典型的日本男性の父の食生活が最近すっかり変わりました。いまは82歳とは思えぬほど肌つやがよく私も驚くほど元気いっぱいですが、この父も65歳のときに肺がんの大手術を受けたときは死を覚悟しました。助かったのが今では信じられない気がします。

 それに感謝してか、あれから人が変わったように健康に気をつけるようになりました。もちろん好きだったタバコはきっぱりと止めたのは当然のこと、運動や食べ物にも徹底的に気をつけているようです。たとえば「朝は、必ずパンと牛乳だ。朝からご飯だとどうももたれる」と聞いたとき、私は耳を疑いました。どうやら和食一辺倒だった父も、母との度重なる海外旅行ですっかりパンの美味しさを知ってしまったようです。「今は近くの老人ホームのドクターとして働いているが、ほとんどは俺より若い人を診ているんだ」と自慢顔に話す彼にいつまでも元気でいて欲しいと祈りました。

 そこで私はひとつアドバイスをしました。「主食をご飯ばかりでなくパンを加えたのはとてもいいけど、出来ればライ麦パンがいいよ」。「ライ麦パンって、こげ茶色していて黒っぽい粒が入ったやつか」。「そう。これには整腸作用やコレステロール低下作用のある食物繊維が白いパンの2倍以上含まれているので体にとてもいい」。「そういえば、このまえ北欧に行ったら、朝食の時に白いパンはひとつもなくなっていた。彼らは健康にも気をつけてそうしているんだな」と父は何度も頷いて言いました。

 このほか、食物繊維は血糖値を下げる働きがあり糖尿病の方にはとくに大切です。またお通じを良くし肥満を抑えるなど生活習慣病予防や最近増えてきている大腸がんを抑える働きにも注目が寄せられています。およそ1日に25gほど必要とされていますが、普通の食生活では必ず摂取量は不足しています。しかし、いちいち食物繊維の量を考えて食べるのは味気がありませんね。そこで一番手軽なのが、主食のご飯やパンにこだわることでしょう。食パンと同様で、真っ白いご飯は大事な食物繊維が少ない。これに対し玄米は約5倍、胚芽精米は約3倍含まれています。また最近は、発芽玄米というのもあります。玄米を温水に一晩か二晩つけておき、すこし発芽させたものですが、これは体に良いというだけでなく、玄米のように圧力釜などを使わずに普通に調理できて美味しいという利点をもっています。

 もうひとつ、私がとても気に入っているには黒米です。今では健康食品店には必ず置いてあるほどの人気のお米です。これを普通のお米を砥いで水加減をしたあとに一握りただぱらぱらと加えます。始めてのときはふたを開けその色に驚きました。ご飯がきれいな紫色に変わっていたのです。独特の歯ざわりが加わり、もち米のような甘味が増し私はとても気にいっています。古代からのお米で、お赤飯のルーツといわれているようです。しかも、この黒い色のもとが、前回お話しした赤ワインに含まれる長寿効果のあるアントシアニンなのです。

 主食は、毎日食べるものなので健康保持の上でとても大切です。皆さんが白米や漂白した真っ白いパンばかり食べているのであれば、思い切って変えてみませんか。先日母からの電話で「白いパンをライ麦パンに変えたが、食べなれるとこちらの方が味がいいわね」と言っていました。お酒がだめで赤ワインの飲めない母に、今度は黒米を勧めてみよう決めています。

投稿者 ageclinic : 2005年01月17日 23:32

コメント