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2005年01月18日
血糖値て何ですか −上がっても下がっても怖い−
「血糖値」という言葉、聞いたことがあるでしょう。みんなが注目している人気者?でしょうか。でも糖尿病の人には悩みの種です。わたしの患者さんは「酒を飲んでいてもいつもこれが頭をかすめる。もう心から楽しめなくなってしまった。本当にいやなやつ、それが血糖値だ」といっています。むしろみんなからの嫌われ者でしょうか。ではこいつの正体は何なんでしょう。今回は専門医として、基本的な知識をまずお話しましょう。若い方にもちょっとだけ注目して欲しいと思います
血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度を表した数値です。このブドウ糖はご飯やパン、砂糖などの炭水化物に含まれています。例えば朝、ご飯を食べると、消化酵素の働きで胃や腸で小さく分解され最終的にこのブドウ糖になります。そして小腸の小さい孔から吸収され体の血管の中に入ってゆきます。およそ30分ほどで徐々に血液の中にブドウ糖として取り込まれ、血液中のブドウ糖が増え、血糖値が上がることになります。普通食べる前のブドウ糖の量は血液100ml中に80mg(80 mg/dlと書きます)ですが、食後は130mg位まで増えます。すなわち血糖値は食べ物や運動で値が大きく上下することということを是非覚えておいて下さい。それと、お酒は炭水化物ではありませんが血糖値を上げます。
ブドウ糖はからだを動かすエネルギー源としてとても大切な役割を果たしています。とくにわれわれの脳はこのブドウ糖がないと全く働くことができません。ただ単に考えることができなくなるだけでなく、昏睡状態になり死亡することになるのです。ですから、この値は低くても良くありません。低くなったときの最初の症状は、強い空腹感です。さらに、あくびがでたり眠気が起こったり思考する能力が低下します。つまり脳の働きが落ちてきた症状です。このため人によってはイライラが生じたり怒りっぽくなることもあります。仕事が忙しくって長時間食事が取れなかったときなどそんな経験あなたもありませんか。しかし、これらの症状はほんの少し血糖値が下がっただけでおこり、大きな害は全くありません。実は体には大量のブドウ糖が蓄えられているので、血糖がひどく下がることは普通はないのです。
問題は、やはり血糖値が高くなるほうですね。食後にやたらのどが渇いて水を何杯も飲んでしまうとか、今までは夜はぐっすり眠っていたのに、最近尿に起きるようになったなどは最もよく聞かれる症状です。また、男性の方では、尿をするときに泡がたくさん出るなどと言われます。これは多量のブドウ糖が中に入っているための症状と考えられます。女性の方は、食事をとった後、妙に眠くなり昼寝をするようになったといわれます。これは血糖値が上がると脳の活動が鈍くなるからです。男性の方なら、なんとなくしゃきっとしなくなったとか仕事が億劫になってきたなどといった表現になります。いずれも年のせいだと考えてあきらめていることが多いのですが、実は糖尿病が隠れていることも多いのです。決して年のせいではなく血糖を下げれば、まだまだシャキッと出来るかもしれませんね。
さて、この血糖値は決して急に高くなるのではなく何年も架かって少しずつ高くなってくるものです。とくに重要なことは糖尿病と正常の間に境界線上(境界型と呼ばれています)の人がたくさんいることです。「糖尿病の一歩手前だ」とか、「糖尿病の毛がある」と医者に言われた人は大体この境界型の人でしょう。まだ糖尿病でないのならすこし気を付ければ大丈夫なんだろうときっと思っているでしょうが、とんでもないことです。最近の研究は、この境界の人もすでに糖尿病の人と同じくらい心筋梗塞や狭心症に罹る頻度が増えているため、しっかりと治療が必要があることを確実に証明しています。もう危ない「糖尿病の境界線上」について、次回は詳しく説明したいと思います。
投稿者 ageclinic : 2005年01月18日 22:43