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2005年01月18日
お酒との付き合い方 −薄めて、じっくり、ちびちびと−
暑さにビール一辺倒だった私も、このごろは旨い肴と焼酎をじっくり飲みたい気持ちになってきました。秋は美味しいものがそろい、酒飲みにはたまらない季節ですね。そこで今回は、アルコールと病気についてお話しましょう。
まず、肝障害。一体どのくらい飲むと肝臓を壊すのかははっきりと医学的に分かっています。日本酒だと1日3合、これを5年以上続けて飲まなければ障害は出ません。つまり、かなりの大酒のみでなければ大丈夫ということになりますが、ちょっと例外があります。女性と体質的にお酒の弱い人は、上の数字より少ない量でも肝臓がやられます。つまり「お酒は弱かったが練習してかなり飲めるように成った」などという人は危ないのです。
昔は、病気の進行に気が付かず、肝硬変になり大量に吐血してから驚いて病院に来る方が多くいました。実は簡単な血液検査で肝臓が悪いかどうかだけでなく、飲みすぎかどうかまでもぴたりと分かりますから、是非定期に調べてください。
最近は、アルコールに関係する病気として「痛風」がすごい勢いで増えています。中年男性に多く、血液中の尿酸値が上がり、足の親指などに強い痛みが突然おこるという病気です。今では健診を受けた成人男性の実に4人に1人が基準値をオーバーしています。重要な原因のひとつが、ビールの飲みすぎです。痛風を起こす物質が特別多く含まれているからです。風呂上りにクィーと飲み干すビールの味は格別ですが痛風の発作は耐えがたく痛いものです。ご用心ご用心。
さらにアルコールはダイエットの敵でもあります。たとえばダイエットが必要な糖尿病患者さんは、出来れば禁酒、無理なら量は160(キロ)カロリーまでです。この量はビールなら缶1本(350cc)、焼酎なら1/2合、ワインなら200cc、ウイスキーなら60ccに当たります。たとえば、油断してビールを宴会で5缶飲んだとします。これは800カロリーに当たり、ご飯だったら実に5杯分にあたります。しかも、以外に思われるかもしれませんが、アルコールは体内で脂肪(主に中性脂肪)に変わります。脂を増やすなんて、やはりダイエットの敵ですね。
いろいろ飲酒の悪い面ばかりを述べてきましたが、もちろん、良いことも沢山あります。とくに最近の研究では、アルコールには皮膚や血管の老化を抑える働きを有することが分かってきています。皮膚などを形作るコラーゲンへの老化物質沈着を防ぎ、若々しい肌を維持する効果があるのです。また糖尿病の患者さんにおこる目や腎臓の合併症は、ブドウ糖がそこに貯まってくるから起きるのですが、アルコールはこれを防いでくれます。恐ろしい合併症を予防する効果があるなら糖尿病の方の飲酒も、まんざら悪いことばかりとは言えません。ただ、糖尿病の薬の中には、飲酒で副作用が強くでることがあるので担当医とよく相談してください。
要は、度を越さない自制心ですね。たとえば休肝日を取れなくなり、必ず量が増えてくるので寝酒の習慣は良くありません。また宴会では、思い切って「ダイエット中で飲酒は控えている」とはっきり宣言したほうがスマートです。また夏は仕方がないとしてもビールなどアルコール度数の低いものはピッチも上がり、ゆっくり呑むことは難しいものです。しかも年中ビールだと痛風の危険があるわけです。したがって、焼酎やウイスキーなどを出来るだけ薄めて飲むのがいいでしょう。
わたしのワンポイントアドバイスは、濃い酒を「薄めて、じっくり、ちびちび」飲むことです。秋の夜長、中秋の名月を肴に、飲める幸せを感謝しでゆったりとした気持ちで酒を楽しんでください。
投稿者 ageclinic : 2005年01月18日 22:52