AGE 内科クリニック
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2005年02月27日

血液検査の見方

検査結果の見方
血液検査

尿酸(UA):7.0以上になると高尿酸血症です。特にビールは要注意! 焼酎やウイスキーのなんと300倍もプリン体(これが尿酸値を上げる原因です)が含まれていますよ。治療しないでいると足の親指の付け根に激痛が起こる「痛風」になったり、腎臓が悪くなります。食生活を見直す(ビールと肉を減らす)だけで正常値に戻りやすいのも特徴です。

尿素窒素(BUN):腎機能のチェツクになります。胃や腸に出血があるときも上昇します。

クレアチニン(Cr):尿素窒素と同じように腎機能のチェックになりますが、こちらの検査を重視しています。蛋白質をたくさん食べたときや筋肉量の多い人は少し高い値がでます。

総コリステロール(T-cho):食事の前後でも意外と数値が変動しません。高くても低くても、良くありません。数値が高いと血管にこれが溜まり(=動脈硬化症)、脳梗塞や心筋梗塞などの心配があります。反対に、低すぎると、免疫力が落ちていて風邪をひきやすくなったり、ストレスにも弱くなりがちです。 

中性脂肪:糖質(甘いものやご飯、パンなど)やお酒を取りすぎると体の中で、この中性脂肪に変化し脂肪として蓄えられます(ですから肥満のバロメーターでもあります)。また糖尿病の方も高くなりやすいく、血液ドロドロとは、まさにこの値が高い状態です。甘いものやアルコールを取りすぎると、すぐにビュ-ンとあがってしまいます。

HDL-コリステロール:善玉コリステロールで低い値が良くありません。心筋梗塞や脳卒中の危険があります。逆に高い値の人は長寿だと言われていますが?

GOT:肝臓の働きが良くわかる検査です。アルコール性肝障害のほか薬の副作用(肝障害)や心筋梗塞でも高くなります。アルコール性では早めの検査でこじらさなければ、大抵はすぐに良くなります。

GPT:肝臓病の時にのみ異常値になります。特に糖質の取りすぎで肝臓に中性脂肪がたまったとき(=脂肪肝)にも高くなります。早めのダイエットで低下させましょう。またアルコール性肝炎も容易に見つけることができます。

γ―GTP: ガンマと呼ばれ、お酒の飲みすぎ度がハッキリわかります。300を超えたら禁酒が必要ですね。

グルコース:意外と知られていませんが、血糖値のことです。200を超えたら、まぎれもなく糖尿病です。糖尿病は予防できます。危ない人(親が糖尿、太っている人)は専門医に相談しましょう。

インスリン: 血糖値を下げる大事なホルモンで、糖尿病の方には大事な値です。正常値は食事を取る前だと10くらい(3~18)ですが、食後30分にビューンと60位まで増えます。糖尿病が軽いうち(または予備軍)はインスリンの値がむしろ高いのですが、糖尿病がこじれると(悪化すると)インスリンが出なくなって(=低下)しまいます。インスリンが出ているうちに治療を受けることが大切です。
  
尿検査
蛋白(尿):腎臓に負担がかかると尿に蛋白がでます。糖尿病の方には合併症(腎症)にかかってはいないかどうかを見極めるとても重要な検査です。

尿糖(尿):血糖値が180以上になると尿に糖が出ます。実は尿に糖が出るか方のほとんどはすでに予備軍である可能性が大変高いので必ず精密検査(糖負荷試験)を受けましょう。

PH(尿):酸性、アルカリ性を調べます。痛風が気になる方は、できればアルカリ性にしたいですね。

ケトン(尿):糖尿病の方で、血糖値がとても高く、体が消耗した状態のときに陽性になります。糖尿病悪化の重要なサインで、これが+だと要注意ですね。

潜血(尿):血が混じっているかどうかを見る検査です。腎臓や膀胱に病気があると陽性(+)になります。

その他の検査
BMI(Body Mass Index ボディマスインデックス):太っているかどうかを精確に判定出来ます。 体重(Kg)÷{身長(m)×身長(m)}で計算します。25以上は医学的に肥満です。35以上ならエステではなく専門医でのダイエットが必要ですね。
〒104-0061 東京都中央区銀座1-4-3-5F
AGE(エー・ジー・イー)内科クリニック
牧田 善二
Tel:: 03-3538-4001 URL http:www.ageclinic.com

投稿者 ageclinic : 14:08 | コメント (0)

新しいインスリンはとても良いですよ

 2003年12月12日に全く新しい持続型インスリン(ランタス)が発売されました。

 このインスリンは1日1回の注射で血糖値を大きく改善することが出来るため、いま飲み薬でいまいちという方にもピッタリです。 欧米では3~4年前にすでに発売されており素晴らしい成績がすでにたくさん発表されています。

 権威のあるアメリカ糖尿病学会雑誌(Diabetes Care 2003 11月号 治療改善試験 -持続型インスリンを飲み薬で治療中の糖尿病(2型)の方に応用 -Diabetes Care (2003)26, 3080-86)の報告を翻訳して紹介しましょう。

要旨
 オレゴン、テキサス、ニューヨークなどの大学病院での研究です。薬を飲んで治療中の方でHbA1c値が7%以上の人(=血糖がちょっと高い)に寝る前に中間型インスリン(以前からあるインスリン)または持続型インスリン(今回許可される新しい持続型インスリン)のいずれかを打ってもらい、効果を比較しました。

 打つ前のHbA1c値の平均は8.6%程度ですが、いずれのインスリンを注射しても大きな効果が認められ6.96%位に改善しました。しかし両インスリンの大きな違いは副作用の「低血糖」の頻度でした。寝ている間に起こる低血糖の頻度は新しいインスリンの方が25%も少なかったのです。

 結論:寝る前1日1度だけ新しい持続型インスリンを行う治療は簡単で効果的であり、血糖を改善するための標準的治療法として推奨できる。

 血糖が薬でなかなか下がらなくて困っている方、寝る前1回だけのインスリンはとても効果的ですよ。専門医に是非相談してください。

 追加

 私のクリニックの患者さんで、薬ではどうしてもHbA1cは9%くらいまでしか下がらない方が、このインスリンを寝る前12単位で今はなんと6.2%にまで良くなりました。すごい効果ですね。

 合併症が心配な方はこの最新のインスリンをトライしてください。

投稿者 ageclinic : 13:46 | コメント (0)

中年男性のためのダイエット講座

 最近中年男性は色々な面で旗色が悪い。会社や家の事で何かとストレスたまりどんどん太ってしまった。何とかダイエットを成功させて同僚や家族をあっと言わせてやりたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

 さてダイエットの基本はまず食生活の改善ですがこれを完璧にやるのは難しいものです。しかし病院に行くとまず栄養士による食事指導が待っています。これが中年男性が最も苦手とするところ。栄養士にあれこれ指示されるのも気分がよくないし、第一食事は自分で作らないから習っても実践しようが無いでしょう。実際わたしのクリニックを訪れた方はほとんど「食事指導だけは勘弁してください」と言います。

まず、食事麺から太る原因を考えて見ましょう。朝食抜いていませんか(まとめ食いは太ります)。寝る前にドカ食いしてませんか(食べたものがそのまま脂肪に変わって最も溜まてしまいます)。アルコールを取りすぎていませんか(生ビール中ジョッキ、焼酎1本がともに250カロリーですがせいぜいこのくらいで止めましょう)。

男性のダイエットの秘訣は運動量を増やすことです。手始めはエレベーターやエスカレーターを止めて階段にすること。同時に自動車に乗るのも極力減らしましょう。しかしここで、膝が痛いとか、息切れがすると言った症状が出たら、以下の運動はあきらめて医者に相談してください。かなり進んだ関節や心臓の病気の可能性があります。このような症状がなければ次のステップは、本格的運動の開始です。運動には呼吸が速くなる(走る、早歩きする)運動と筋肉をつける運動の2種類があり、この2つを併用することが理想です。まず、食後に歩くことから始めてください。食後2時間頃が効果的で20分以上の速歩が必要です。慣れてきたら、スピードをどんどん上げ、少し呼吸が速くなるくらいを目安にしてください。呼吸数が増えることは体に酸素をたくさん取り込むことになり糖尿病の予防や治療にも大変役立つのです。

さらに、やせるためには筋肉を鍛える運動が必要です。ダンベルや腕立て伏せ、腹筋運動により脂肪を筋肉に変えるという気持ちで頑張りましょう。テレビの60台の有名キャスターは毎日900回の腹筋をこなしているそうですよ。

これでもダメという方はクリニックで治療を受けましょう。 例えば遺伝的にやせにくいかどうかはホルモンなどの検査をすればすぐに判ります。 あなたにぴったりのダイエット治療によって廻りのみんなをあっと言わせましょう。

投稿者 ageclinic : 13:40 | コメント (0)

2005年02月17日

ハーバード大学医学部での医学教育改革

2001年5月に現在最も進んだ医学教育改革を断行しているハーバード大学医学部を
1週間に渡って見学する機会がありました。

まず驚いたのは教育改革は医学部出身者ではなく
教育学部出身の専門家集団が行っているということです。
さまざまな教育関係者に次々と会い、学生の意見を聞き、授業に参加し、
まさに目の回る忙しさと驚きの1週間でした。

まず最初に担当のエリザベス・シルベスターさんにお会いしました。
「医学部と言えども本当の教育改革をするなら医者じゃなく私たちの力が絶対必要。
だって私たちはその道のプロですから」と力強くおっしゃっていました。

その言葉の裏には「医学部教授になんかに任せていたら医学教育なんか良くなりませんよ」という
強力なメッセージが込められているようです。 かなり日本とは趣きが違います。
確かにそうかな? 既成の枠内からの自主改革は難しいのかな?

私の最低限の希望は、
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1.学生と直接会って改革の感想を聞きたい。 
2.授業に参加したい。
3.臨床教育をする教官の話を聞きたい。
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という3点でしたがすべてOKで手配してくれました。
3日間びっちり見学することが出来ました。

改革のポイントは
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1.臨床教育(患者を診る力をつける)を重視した。
2.講堂で座って聞く従来の講義をほとんど廃止した。
3.1、2年目は小グループで自主学習スタイルで行う(教官はアドバイスをするだけ)。
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(理由)
内科学や外科学などの進歩は著しいため実技まで含めて覚えなければならないことがとても多い。
そのため基礎系(解剖学、生化学、生理学など)の側の猛反発があったが改革は絶対必要という信念の基に断行。

・解剖学、生理学などの従来の基礎医学の講義は廃止し、
  臨床病理学などの共通テキストをもとに臨床に関係するテーマについてグループ内で自主学習する。
・講義は最低限のみに限定し、基本的には廃止。
・臨床重視。自分で考え問題解決できる優れた臨床医作りが目標。つまり
・ 「教える」から「自分で学ぶ」への変換。

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医学部校舎の内は大理石のとても豪華(?)。上の写真の方は学内を案内し、
やさしくカリキュラムを説明てくれた教育担当の方です(名前はシークレット?)。

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教育改革の中心的役割を果たしている教育担当教官です
(PhDという最高の教育博士の資格を持った方でいまも改革を断行中)。
新しい医学教育の方向性についてとても熱く語ってくれました。
その最大のポイントは「MD(医者に)に任せちゃだめ!」です。

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この椅子に腰掛けた貫禄十分の方(?)は何と医学部1年生です。
言葉は悪いですが、ちょっと学生にしてはひねてますよね。
「この人が医学生、何でも聞いてください」と紹介されたときはびっくりしました。
それもそのはず、実は海兵隊に入隊し、そこからハーバード大医学部に応募してパスしたんだそうです。
学費も海兵から支給されているので、自己負担はないそうです。

「ベンチにすわりっぱなしの退屈な講義が無くなって、学生は皆喜んでるよ」。
「誰だって退屈な講義より自主学習の方を選ぶと思うね」と語ってくれました。

いい医者になるにはいろいろな人生経験が大切だとこの国では考えられています。
つまり、医学生の選抜自体が日本と全く違っているようですね。

アメリカの医学部では頭が良いだけでなく、やる気があり
医者に向いている人を採ると聞いてはいましたがここまでとは!
間違いなく、彼は日本には絶対に居ないタイプの医学生です。
日本の医学部入試の不正・裏金事件を思い出ました。
ひょっとしたら、教育改革の前にまず入試改革がこの国では必要なのかも知れませんね?! 
つまり良い学生が入ればいい自然に医者も育つ?

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何とこれが授業風景です。「今日は天気が良いので、
2グループ合同で屋外でディスカッションしましょう」
という担当教官の一声で中庭に出ました。

上の左から2人目のスキンヘッドの方ももちろん学生さんですよ! 
ちなみに左端の金髪の女性の方が教官です(産婦人科医)。
この国では学生と教官の区別がとても難しい?!

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1年生の小グループ自主学習(7−8人)の授業開始直前の様子です。学生を良く見て下さい。
ここの学生はアジア系2人、黒人1人、白人4人とちゃんと人種のバランスまで考えて
入学させていることが分かります。このあと担当教官が1人加わりっ授業開始。
担当学生が発表し、他がどんどん質問して行きます
(PBL=プロブレム・ベースト・ラーニングという学習方法を取り入れています)。
とても明るく元気に授業が進行して行きますが、その内容は結構ハイレベルなのです。

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こちらはもう少し上の学年(3年生?)の学習風景です。
胸のレントゲン写真やCT写真から診断名をつけるトレーニング。つまり実戦訓練ですね。

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立派な大理石の医学部校舎(正面)です。さすがハーバード大学!! 
校舎はコ字型に配置され真ん中に広い芝生があります。

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内分泌・代謝学を教えているユーティガー教授です。
かわいいネクタイを見るとなんだか小児医のようですね。実際とても気さくでやさしい先生です。 
偶然ですが、実は私のAGE研究がニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンという雑誌に載ったとき
審査をしてくれた先生でもありました。このときの私の研究をとても褒めてくれました。
 
別の教官(ハーバード卒)からは「ここの学生はやる気があって入学して来たやすばかりさ。
講義なんかやめて2,3年目から実地の医療をどんどん経験させ、
患者さんを診る力をつけさせるのが一番さ」との話を聞きました。


<おわりに>

私が感じたことは「日本ではさっぱり改革が進まないうちに、こちらではどんどん改革が進んでいるな。
かなり遅れをとってしまったな」という点でした。
まず、講義中心を廃し、自分で学ぶトレーニングと臨床実地訓練の充実が必要と感じました。

アメリカやヨーロッパの医学教育を実地見学し、
教育制度もさることながらむしろ医学生の質の差を強く感じました。
とくに日本は大学間でかなりの学生の質に差があるのが現実。
つい最近も入試にまつわる裏金問題が新聞をにぎわわせましたよね。

実のところ医師になるのは止めたほうがいいのではないかと思われる程、向いていない者、全くやる気のない者も沢山いるのが現実です。せっかく医学部に入ったのだから卒業させて上げようという大学側の(または親の)温情(?)は返ってあだで、むしろ向かない人は方向転換を図ってもらったほうが社会的にもまた本人のためにも良いのではとつくづく思います。しかも、理想の医学実現のためでなく、国家試験対策が教育改革の目標になっているのは残念な現実です。


投稿者 ageclinic : 18:48